目次
- ○「指示」ではなく「提案」をする
- ○〝自分の気持ち〟に置き換えてみるだけで……
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「指示」ではなく「提案」をする
「この本、絶対、読むべき!」「あの映画、観ておいたほうがいいよ」同僚から言われたこんな一言。親切心かもしれませんが、なんとなく押しつけがましく感じませんか?子どもがお母さんから「早く宿題をやりなさい」と言われると、「今やろうと思ったのに」とカチンときて、やる気がなくなってしまう……あれと一緒です。こうした指示口調や決めつけが苦手なのは、実は女性より男性です。男性は前述のように隠れてプライドが高いもの。そのせいか、人に指示されるのを嫌う傾向にあるのです。一方女性は、よかれと思って指示したくなるもの。どことなく頼りない同僚がいると、「今度○○のセミナーがあるんだけど、○○さん、絶対行ったほうがいいよ」「そんな派手なネクタイでお得意様のところへ行くの? 替えるべきじゃない?」「あの人が、あなたについてこんなことを言っていたから、気をつけたほうがいいよ」など、まさに余計なおせっかい型コミュニケーションを発揮してしまうのです。私も主人に余計なおせっかい型の言い方をしてしまって、「僕はいいから」と、期待していた反応が返ってこないことがよくありました。女性としては、相手のために言っているつもりなのですけれども。男性は、こうしたアプローチを束縛や管理と感じます。相手のためを思ってしたアドバイスも、これでは聞いてもらえません。こんなとき、命令や指示の代わりに、提案の形をとってみてはいかがでしょう。●セミナーに参加してほしいとき「絶対に行ったほうがいいよ」
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「私のところにセミナーの案内が来たんだけれど、どうかな? よかったら一緒に行きましょうよ」
●服装を改めてほしいとき「その派手なネクタイは替えるべきじゃない?」
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「○○さんには、シックなネクタイのほうが似合うと思う」
●行動を改めてほしいとき「あの人がこういうふうに言っていたから、ここは気をつけたほうがいいよ」
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「こんな話を聞いたんだけど、こういうふうにしたらどうかな」
同じことを言うのでも、相手が受ける印象はだいぶ変わります。これは女性や若い同僚に対してもつかえる方法でしょう。同様に、男性を褒めるときに「がんばったわね」「やればできるじゃない」など、上から目線の言葉はNGです。褒めたつもりでも、「もともと期待していなかった」という意味にもとれるので褒め言葉になりません。また、女性なら嬉しい「肌が白いね」「若く見えるね」の言葉も、男性にとっては褒め言葉に聞こえません。容姿よりも能力や期待を言葉にしましょう。 -
〝自分の気持ち〟に置き換えてみるだけで……
今の話を、プライベートなパートナーシップで考えてみましょう。たとえばパートナーが、連日残業続きで疲れ気味。食欲もなく顔色も悪いとします。そんなとき、余計なおせっかい型のコミュニケーションを発揮して、「部長にちゃんと話して、残業、減らしてもらったほうがいいよ」などと指示型のアドバイスをすれば、「おまえに、俺の会社の何がわかる?」と反発されるだけです。これを提案に変えるには、「もう少し仕事を減らせないかな。あなたの体が心配だし、何よりも私、あなたともっと一緒にいる時間が欲しいから」と、あくまでも「私の希望」「私のわがまま」といった〝自分の気持ち〟のパーソナルなお願いに落とし込むこと。そうすることで、押しつけがましくなく、してほしいことを伝えられるのです。そもそも、「〜すべき」「〜したほうがいい」と言いたくなる裏には、不安や心配などの感情が隠れています。「遅くなるなら、ちゃんと連絡すべきでしょ」は、待っている間に感じた、「事故にでもあっていたらどうしよう……」という不安や心配からの言葉ですし、「もっと堂々としてよ」は、「そういう優しすぎるところが人から軽んじられたり利用されたりしないかしら……」という不安や心配です。そして、その不安や心配は、実は愛情の裏返しです。その隠れた感情のほうを言葉にすれば素直に聞いてもらえるのに、それを言わずに、〝べき論〟だけを話すから反発されてしまいます。「あくまでも私個人の意見だから、ひとつの提案として聞いて」「今、ちょっと思っただけだけれど」と前置きするのも、相手のプライドを傷つけず話を切り出すコツです。
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