目次
- ○股関節・ひざ関節・足関節は互いに影響し合って動く
- ○ひざを閉じたまま屈伸運動で足を正しく使い、自然に歩く
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股関節・ひざ関節・足関節は互いに影響し合って動く
外反母趾とひざ、股関節の痛みは、一見関係ないように思われるでしょう。しかし、下肢の関節は互いに影響し合って動いています。言うなれば、間違った足の使い方をしている弊害が股関節に出るか、ひざ、母趾(親指)に出るかの違いなのです。さらに、股関節痛とひざ痛、ひざ痛と外反母趾と2つ以上のトラブルが生じるケースも少なくありません。例えば、ひざ痛は、私の長年の治療経験からみると、ひざ関節単独で痛みが出ているケースは稀で、ほとんどは股関節に原因があります。左の図にあるように、骨盤とつながる太ももの骨が内側に入り込み、そのねじれがひざ関節へ、さらには、足関節まで伝わります。股関節が内旋(内側に巻き込む動き)すると、ひざのお皿(膝蓋骨)が本来の位置からズレ、ひざの骨同士が接する面が変わります。これが動きづらさや痛みを招く要因になると考えられるのです。逆に、足関節の内旋が根源になるケースもあります。『足を正しく使う歩き方』でもふれましたが、内また歩き(足関節が内旋した状態でかかとから着地、足裏をペタッとつく歩き方)は、ひざ関節の大きな負担となります。関節は連動して動く!足を動かす動作にかかわる関節が内旋(内側に回転)すると……。
股関節のねじれがひざ関節へ連動し、ひざに痛みが出ることも。
股関節・ひざ関節に連動し、足や足指の骨の変形を招くことも。逆に足関節のねじれがひざ関節・股関節へ影響を及ぼすこともある。
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ひざを閉じたまま屈伸運動で足を正しく使い、自然に歩く
『ひざ閉じスクワット』は、つま先を開いて立ち、ひざを閉じたまま曲げのばしするだけ。この屈伸運動でお尻から太ももの裏側にグッと力が入ります。お尻の筋肉(大殿筋)と太もも裏の筋肉(大腿二頭筋)が鍛えられると、足を「どっこいしょ」と持ち上げて歩くのではなく、足を前へけり出すスムーズな歩き方ができるようになります。さらに、大腿二頭筋には、ひざを内側に締める働きもあり、ひざが外側へ向いてしまうO脚の矯正に効果的。O脚と外反母趾は密接な関わりがあるため、足のゆがみを治すことは外反母趾の予防・改善に役立ちます。
1 かかとをつけて、つま先を45〜60度開いて立つ。両ひざがつく位置までひざを曲げて腰を落とす。このとき、前かがみの姿勢にならないよう注意。
2 両ひざをつけたまま、ゆっくりひざをのばす。ひざがなるべく離れないようにし、のばし切ったら太ももの裏、お尻に力を入れた状態で5秒間キープ。
O脚と外反母趾はどんな関係!?O脚やX脚などの足のゆがみは、股関節を通じて骨盤のゆがみにもつながります。それが下半身太りや冷え症、ひざ痛、外反母趾といったトラブルとして度々あらわれるのです。