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【臨床心理士執筆】気持ちをうまく伝えられない原因と対処法

SNSやツイッターであれば、言いたいことが言えるのに、いざ人と話す時には自分の気持ちをうまく表現できない…という人は少なくないかもしれません。それは何がネックになっているのでしょうか。

ほんだきみ子(臨床心理士)

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目次

  1. ○SNSやツイッターの恐さ
  2. ○自分の気持ちが言えないのは、何がネック?
  3. ○伝え方が下手だからと諦めてしまっている
     
    • SNSやツイッターの恐さ

      皆さんの中にも、ロールプレイングゲームをされる方がいらっしゃると思いますが、ゲームでは自分とは真逆のキャラクターを選ぶということはありませんか。
      普段の自分ならば絶対に選ばないような行動をとって、つい飲み込んでしまう言葉も臆せずバンバン言ってしまうようなキャラクターに、自分の人生の肩代わりをしてもらうこと。それ自体を、私(ほんだきみ子)は悪いことだとは思いません。しかし、自分がなぜ、そのキャラや行動パターンを選びたいのかを、本人がちゃんとわかっていることが、ここでは重要です。
      ゲームと同じように多くの方が利用しているのが、SNSやツイッターですが、時々「SNSやツイッターなら、言いたいことが言えるのに……」というお話を耳にすると、私は少し気がかりになってしまいます。
      もちろん、SNSやツイッターは、今まで自分を表現できる手段をあまり持っていなかった人たちにとっては、大事な自己表現の場になっていると思います。
      例えば、「自分の意見を求められるシーンは苦手。ましてや、自分から発言するなんて」という方は、“意見を持っていない”というより、「発言するときに注目されるのが嫌だ」「自分の考えを言っているときの、相手の反応が怖い」という側面が強いようです。
      こういう人にとって、ツイッターやSNSは、まさに自分のタイミングでアップし、自分から発言できることが大きなメリットなのです。
      そして、話しているときに、自分の表情などを見られるわけではないですし、後からそれを読んでもらい、時にはフォローをしてもらえる“場”として、大切にされているのだと思います。
      ただ気になるのは、本来ならば【鍵のかかる引き出しに入れている日記帳】の中にだけ吐露するような感情までもを、その“場”に書き込んでいる人が少なくないことです。
      そして、そのことがトラブルの原因となった場合には、心が一気に委縮して、ますます自分の考えや気持ちを表現できないという状況になってしまいます。
    • 自分の気持ちが言えないのは、何がネック?

      ただ漠然と「うまく言えない。話せない」と思っているのではなく、自分の気持ちをうまく表現できないと感じているネックは何か? を考えてみましょう。
      前項とはちょっと違い、「声をかけるタイミング」がわからないとおっしゃる方もいます。「質問したい」「相談したいけど……」と思いながら、相手の人が忙しそうで、邪魔をしてはいけないと考えてしまうような方です。
      接客販売のお仕事の場合、声をかけたお客さまから無視されたり、「いいです、見ているだけなんで」と冷たくあしらわれてしまったりして傷つくそうです。
      営業では、いつアポを取る電話をしたらいいのかなどのタイミングがわからず、結果として話せないという状況に陥っている方もいます。
      その背景には、人間関係が築けていない不安や、過去の経験から声をかけるのを恐怖に思う気持ち、相手の状況が見えない不安、自分自身の言動に対する自信のなさなどがあることが多いのです。
      まずは、背景にある課題を整理して、一歩ずつ前に進んで行きましょう。
      自分の気持ちを伝えられないのはなぜだろう?

      自分の気持ちを伝えられないのはなぜだろう?

    • 伝え方が下手だからと諦めてしまっている

      子育てをしていると、ある時期を境に子どもがぐっと落ち着いてきたと感じることがあると思います。その落ち着いたタイミングの1つに「自分の気持ちや言いたいことを、まがりなりにも言葉で伝えられるようになった」という時期があげられます。
      「今までは、言いたいことがあっても上手く伝えられないという、もどかしさが強かったようです。そのもどかしさに子どもなりに苦しんでいたのですね」といったお話を聞くたびに、私は「コミュニケーションは、聞くことも大事だけれど、伝えたいという気持ちがあってこそ」だと思うのです。
      「口下手なんで」「話すことが下手で」そう言われる方は、心の中に自分を上手く伝えられないもどかしさを抱えて、伝えるということそのものを諦めていませんか?
      それは、とても苦しいことですよね。でも、決して伝えたい気持ちをなくしておられるわけではないと思います。
      最初から上手に言おうだなんて考えないでください。大切なのは、アナタの気持ちが相手に伝わること。自分の言葉で素直に気持ちを表現してみましょう。
      上手い表現の言葉なんかよりも、伝えたい思いが表れる、そんな話し方のほうが、聞き手の心を動かす強いパワーがあって素敵だと思うのです。

人間関係でストレスを溜めない技術

ほんだきみ子

クロスメディア・パブリッシング

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