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仕事がうまくいかない原因と対処法

学校や職場には個人に対する評価がついて回ります。しかし、それは何か一定のものを基準としてつけられるものですよね。その評価は果たして本当に「優秀さ」を正しく示しているのでしょうか。人を判断するモノサシについて生物学者の著書からご紹介します。

長沼毅

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目次

  1. ○「優秀さ」を測るモノサシは一つではない
  2. ○長所・短所に良し悪しはない
  3. ○与えられたものをどう使うか
     
    • 「優秀さ」を測るモノサシは一つではない

      そもそも完璧な遺伝子だけの人なんてほとんど存在しません。みんな、どこかは都合が悪く、またある部分は都合よくできています。
      たとえば、天才という言葉の通り、先天的なものだとされている「頭の良さ」という観点で考えてみましょう。
      頭の良さというのは、一つのモノサシでは測れません。記憶力に長けている人もいれば、理解力や論理的思考力に特化している人もいます。高い創造力を持っている人もいれば、相手をだます頭の良さもあります。このように、頭の良さにはたくさんの軸があります。
      知能テストもそうです。人間のすべては知能検査だけでは測れません。最近では、IQという指標に加えて、EQ(心の知能指数)と言われる感情についての指標も入れようか、いや、さらにもう一個くらい違った軸が必要なのではないか、などと言われています。
      会社で言われる「優秀さ」も同じことです。
      仕事の良し悪しを測るモノサシはいっぱいあります。ある仕事で結果を出せていない人も、違う仕事を与えたら大いに成果を出すことは多々ありますから、まず成果が出ていないということは、その人の能力が発揮されない仕事を与えているということを疑ったほうがいいと思っています。その人がハイスコアを持っているモノサシで仕事をさせたほうがいいはずです。
      「優秀であるかどうか」は、人間の脳が決めているだけのこと。視点を変えればどうにでもなるものですので、これを深く論じても意味はありません。
      あまり考えずに、自分が得意だと思ったこと、幸せだと感じたことを、行動の軸にするのがいいと思います。
    • 長所・短所に良し悪しはない

      人は個性に対して、「これは長所だ」「ここはダメだ」と一喜一憂しています。
      でも、それを言っているのは脳の中の話であって、個性にいいも悪いもありません。ただ個性が存在する、得手不得手があるというだけです。
      遺伝子は、コピーされるときにある一定の割合でミスコピーされます。コピー後にオリジナルと違った産物ができることがあるのです。これは専門的には「突然変異」といって、発がんの原因にもなりますが、一方で「進化」の原動力でもあります。
      背中の模様の斑点が1つ増える。足が2本だったところが4本生える。色が黒から白になる。あるいは外からは見えない臓器や脳の性質が変化する。そうした変化はミスコピーで引き起こされ、そうしてたまたまできた違ったものが、自然淘汰や環境圧、競争にさらされて、よりいいものが生き残ります。
      ミスコピーなんて言うとネガティブなイメージがしますが、要は今までと違うことを試すということです。これはれっきとした、遺伝子が持つ偉大な性質で、遺伝子のバリエーションが増えるというのは、種全体としてあらゆるチャンスを試すことができ、生き残る可能性が増えることを指しています。
      あちこちで新しい可能性が生まれては消えていく。もはや遺伝子そのものが好奇心を持っているかのように、あらゆる可能性を試すという壮大な実験が自然界では行われているわけです。そのバリエーションの結果として、我々はひとりひとり遺伝子の風景(ランドスケープ)、すなわち、「個性」を持っています。
    • 与えられたものをどう使うか

      私(長沼毅)は、人との比較に意味はないと思います。
      結局、自分はその体以上でも以下でもない存在です。たまたま持って生まれたその体で生き残るか否か、それが生物としての一生です。
      記憶力が悪い、鼻が低い、そういったことを欠点としてとらえて落ち込むのも自由ですが、私から見ても、自然世界から見ても、それは個性でしかない。また、そのコンプレックスを抱えている部分だけで、その人のすべてを説明できるかと言えばそうではない。
      もしも人間社会でこれからも生きていくのであれば、他者からの評価・比較とは別に、あるがままの自分を感じるという視点を持っておくといいのではないかと思っています。
      親が医者だからといって、子どもが医者に向いているわけではありません。医者に向いていないなら、遠慮なくやめてしまって会社をやればいい。兄弟姉妹が自分より偏差値の高い大学や年収の多い会社に入っていたって、それだけのこと。
      ましてや、まったく違う遺伝子を持つ上司や先輩の成功話なんて、面白く聞いておけばいいだけの話で、それを自分と比較してどうなるものでもありません。世の中に「平均」という考え方がありますが、世の中の人を煽って動かしたい誰かが測ってお金儲けをしているだけのことですから、気にしなくてもいいでしょう。

考えすぎる脳楽をしたい遺伝子

長沼毅

クロスメディア・パブリッシング

第2章 あなたの個性を知る方法より

現代人は、脳ばかりが暴走して、身体の限界を超えることをやってしまうバグを抱えているのです。本書では、「科学界のインディー・ジョーンズ」が、過酷な探検と研究のなかで見つけた、『ストレスなく、悩まずに生きる方法』を紹介します。

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