目次
- ○心が安定して「うつ病」予防。毎日がイキイキ
- ○パフォーマンスは睡眠で上がる
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心が安定して「うつ病」予防。毎日がイキイキ
よく眠れた日は朝起きたときにすっきり、はつらつとした気分になります。これはよい睡眠をとったことで脳の疲労がなくなり、機能が回復したことのあらわれです。ストレスが多少あっても、睡眠で脳の機能が回復すれば晴れ晴れとした気持ちで毎日を送ることができます。しかし、睡眠不足で脳の機能が回復しないまま毎日を過ごしていると、ある問題が起こる可能性があります。その問題とは「うつ病」です。うつ病の症状には、何をするのも面倒くさくなる意力の低下や、集中力・思考能力の低下、物事への興味の喪失、不安感の増加などがあります。気づいた人がいるかもしれませんが、これは私たちが睡眠不足のときに感じる状況に似ているのです。みなさんのなかにも数日間睡眠不足が続いたことで、やる気が起きなかったり、集中力に欠けてしまったりした経験がある人は少なくないと思います。たとえば、仕事をしている場合、計算ミスや会議の内容が頭に入らない、家事をしている場合でも作業効率が落ち、集中力がなくていろいろなことに手を出してしまう……。うつ病までにはならなくても、睡眠不足は精神状態を不安定にして、行動にも影響を及ぼすことがあるのです。また、うつ病を発症している人を調べたところ、80〜85%が不眠で、10〜15%の人が過眠傾向にあるという調査結果が出ています。このように不眠とうつ病には深い関連があり、怖いことに不眠は心の健康を奪ってしまう恐れもあるのです。「最近、ちょっとやる気がわかないな」とか、「今まで好きだったことにも興味が持てないな」と感じている人は自分の睡眠を見直してみてください。もしかすると、いつもよりも睡眠時間が短くなっているかもしれません。そこで、もし睡眠が足りていないと思ったら、今日から十分な睡眠をとるように心がけましょう。はつらつとした気分で朝が迎えられれば意欲もわき、生活の質も大きく変わっていくはずです。 -
パフォーマンスは睡眠で上がる
アスリートがしっかりと睡眠をとるということはよく知られている話です。それは睡眠によってパフォーマンスが上がることが実証されているからです。ここで睡眠とパフォーマンスアップについて興味深い話をひとつ紹介します。アメリカのスタンフォード大学で行われた睡眠とパフォーマンスに関する研究によると、バスケットボール選手たちに平均していつもよりも2時間ほど多く睡眠をとってもらったところ、競技のパフォーマンスがアップするという結果が出ました。具体的には、ダッシュのスピードがアップしたり、フリースローのシュートが入る確率が上がったり、気持ちの面でもやる気が増したというのです。この結果からみても、睡眠にはパフォーマンスや意欲を上げる効果があることは明らかです。そして、プロのスポーツ選手は一般の人よりも睡眠の重要性を認識しており、しっかり睡眠をとることを意識的に行っています。日本のプロ野球選手などもそうですが、遠征で遠くへ行って試合をすることが多々あります。そのときにもよく眠れているかが、力を発揮できるかどうかのポイントのひとつになるのです。ことにアメリカのプロ野球選手は移動が多く、さらに国内であっても時差が発生する場合があります。そのため、いつもと同じように眠りにつけるか否かで成績に影響が出てくるのです。シーズンも終盤にかかり、体力がギリギリのところでタイトル争いなどをしている場合、パフォーマンスを上げるためによい睡眠がとれているかが肝になります。このようなことからもよいパフォーマンスをしたい、持っている力を十分に発揮したいと思っている人にとっては、深い睡眠をとること、ある一定の睡眠時間をきちんと確保して1日の疲れを取ることが大切なのです。
誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法
P A R T 1 すぐに眠れて朝まで起きない「ぐっすりストレッチ」のやり方より
深睡眠が不足していると、ぐっすり眠れないだけでなく、やる気が出ない、「血圧」「血糖値」「コレステロール」の値が、上がりやすいなど、生活面や健康面にさまざまな影響が出ます。健康でいるため、イキイキとした毎日を送るために、ぜび本書で紹介する「ぐっすりストレッチ」をお試しください!