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【医師執筆】睡眠不足をバランスよく解消する方法

社会人なら、仕事やおつきあいでどうしても帰宅時間が遅くなり、睡眠時間が足りなくなってしまうということもあるでしょう。このような場合、週末に「寝だめ」をして調整をしようと考える人が多いようですが、それでは確実に睡眠のリズムが乱れてしまいます。では、日頃の睡眠不足はどのように解消するのがベストなのでしょうか。睡眠の専門医の著書をチェックしてみましょう。

白濱龍太郎(リズム新横浜 睡眠呼吸メディカルケアクリニック院長)

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目次

  1. ○睡眠の負債は分担で返す
  2. ○生活リズムの乱れは週内で調整する
  3. ○昼寝をするなら午後1時がおすすめ
  4. ○一杯のコーヒーがいい昼寝にはかかせない
     
    • 睡眠の負債は分担で返す

      仕事やおつきあいでどうしても帰宅時間が遅くなり、睡眠時間が足りなくなってしまう。
      社会人なら、そんなこともあるでしょう。
      このような場合、週末に〝寝だめ〟をして調整をしようと考える人が多いようですが、それでは確実に睡眠のリズムが乱れてしまいます。
      そこで覚えておいていただきたいのが、平日の睡眠時間の借金、いわゆる「睡眠負債」を、1週間単位で調整していくという方法です。
      たとえば、深夜1時から朝6時までしか寝られない日が週の前半に続いたときは、木曜日や金曜日に1時間多く眠り、調整をします。
      眠れなかった時間を1日にまとめて返すのではなく、何日かに分けて、少しずつ返すことがポイントです。
    • 生活リズムの乱れは週内で調整する

      私(白濱龍太郎)は、患者さんには睡眠日誌というものを書いてもらい、毎日の睡眠時間や生活の状況を教えてもらっています。
      1週間単位でみた場合、週の前半は夜遅くならないように注意しつつ生活しているのに、週の後半になると、仕事の終わりの時間が遅くなったり、飲み会が入ったりして、生活リズムが崩れてくる人が多いように思います。
      たいていの患者さんは、定期的な通院によって生活リズムを立て直しています。
      同様に、もしみなさんが「眠る時間が遅くなり、リズムが乱れてきたな」と感じたときには、できるだけその週の間で調整するよう心がけてください。
      もし、仕事が原因で睡眠時間が少なくなってしまう場合には、どの時間まで仕事のレスポンスをするのか、仕事のことを考えるのかを決めた方がよいでしょう。
      また、プライベートタイムの過ごし方にも注意が必要です。
      女性のなかには、夜ゆっくりできる時間にインターネットショッピングを楽しんでいる方が多くいらっしゃるようです。
      やりたいことを存分にやることも、ストレスの発散のためには必要です。
      しかし、睡眠の時間が足りていないと感じたときには、1週間で睡眠時間を調整できるよう、夜の時間の使い方を改めましょう。
    • 昼寝をするなら午後1時がおすすめ

      睡眠が不足すると、眠気に襲われたり、頭がボーッとしたりするため、どうしても日中のパフォーマンスの質が低下してしまいます。
      夜に十分な睡眠をとることができず、日中に眠くなってしまう場合は、潔く昼寝をするのもよいでしょう。
      うまくとりさえすれば、昼寝は決して悪いことではありません。
      起きた後はすっきりと頭がさえ、その後のパフォーマンスは確実に上がるはずです。
      では、どのようにとるとよいのでしょうか。
      ただ「眠気を感じたら寝る」だけではパフォーマンスの向上にはつながりません。
      私がおすすめしたい昼寝の方法は、「あまり眠くなくても、午後1時くらいに、15〜20分の仮眠をとる」というものです。
      昼間、人がもっとも眠気に襲われるのは、午後2時から3時の間です。
      そもそも人間の生体リズムは、午前および午後の2時から4時ごろに眠くなるようにできているといわれています。
      さらに、昼食で食べたものを消化するため、胃に大量に血液が送られ、脳に送られる血液量が減ること、昼食後に血糖値が急激に変化し、低血糖状態になって、脳の栄養分であるブドウ糖が減ることも、眠気の大きな原因となります。
      この、「午後2時から3時の眠気」が訪れる前にわざと昼寝をすることで、頭と体がリセットされ、もっとも眠くなる時間帯に眠気が起きづらくなるのです。
      また、仮眠をとる際には、あまりいい環境で寝ないようにしましょう。
      近年、仮眠用のスペースを設けている企業もありますが、いい環境で寝てしまうと、ついつい眠りが深くなり、体温が下がり、短時間ですっきりと起きることが難しくなってしまいます。
      あえて、イスに座ったり、机に伏せたりするといった、寝づらい姿勢で眠るようにすることが大切です。
    • 一杯のコーヒーがいい昼寝にはかかせない

      また、喫茶店などへ行って休むのもよいでしょう。
      その場合、アイマスクをすると、視界から入る光が遮断され、明るく人が多い環境でも短時間で眠りやすくなります。
      そして、昼寝の前には、必ず一杯のコーヒーを飲みましょう。
      ホットでもアイスでも構いません。
      「眠る前にコーヒーを?」と不思議に思うかもしれませんが、これがパフォーマンスアップにつながる「賢い昼寝」をするための大きなポイントです。
      コーヒーの香りには、副交感神経を優位にする効果があるといわれています。
      そのため、若干ではあるかもしれませんが、催眠作用が期待できます。
      一方で、コーヒーに含まれるカフェインには、交感神経を刺激して眠気をなくし、気分をすっきりとするという効果があります。
      ただ、個人差はありますが、この効果が出るまでにはある程度の時間がかかります。
      胃でカフェインが吸収され、体を巡って脳で作用するまでに、約20〜30分かかると考えられます。
      この時間差をうまく使い、飲んだ後から昼寝を始めて、カフェインが効き始める時間に起きるようにするといいわけです。
      コーヒーの香りによる催眠作用と、カフェインが脳に働きかけるまでのタイムラグをうまく使えば、昼寝をしてもすっきりと目覚め、仕事を再開することができるはずです。
      日中眠気に襲われた場合は、ぜひここに書かれている内容を参考に、「上手な昼寝」をしてみてください。
      なお、どんなに遅くても、昼寝をするのは午後3時までとし、20分以上は眠らないようにしましょう。
      3時以降に昼寝をしたり、20分以上眠ってしまったりすると、夜の睡眠の妨げになってしまうからです。
      仕事を終えて帰る際、電車のなかでついつい寝てしまうという人もいるかもしれませんが、これも夜の睡眠に影響します。
      できるだけ起きたまま帰宅するようにしましょう。

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白濱龍太郎

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