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【精神科医執筆】人間関係が苦手な人の対処法

誰でも、みんなと仲よくつき合えればと思うでしょう。でも、そのことにとらわれすぎてしまうと、かえって自分の欠点ばかりが気になって、自信がもてなくなり、結局、人と自然につき合えなくなってしまうのです。
この記事では、ある大学生の人間関係について紹介します。

大野 裕

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目次

  1. ○みんなとうまくつき合うことは、積極的にあきらめよう
     
    • みんなとうまくつき合うことは、積極的にあきらめよう

      人間関係を円満にやっていくことが苦手だという人には、必要以上に「みんなと、うまくつき合っていかなければならない」と考えてしまう面があるようです。
      誰でも、みんなと仲よくつき合えればと思うでしょう。でも、そのことにとらわれすぎてしまうと、かえって自分の欠点ばかりが気になって、自信がもてなくなり、結局、人と自然につき合えなくなってしまうのです。
      そのような大学生の青年がいました。
      彼は同級生たちが楽しそうに話をしているのを見ると、いつもうらやましいと思っていたのですが、自分からはどうしてもその話の輪のなかに入っていけずにいました。
      ときどき講義や試験のことで近くの席の人と話をすることはありましたが、自分が話しているときに、どことなく相手の表情が堅くなっているように感じて、それ以上は話を続けられなくなってしまうのでした。
      彼は、自分の印象がよくないから相手がよそよそしい態度をとるのだと考え、人からよく思われない自分に自信をもてなくなってきたのです。
      彼の場合、二つの問題があります。
      一つは、相手の気持ちを決めつけて自分が萎縮してしまっている点です。自分の世界に閉じこもっていては、現実は見えてきません。
      もう一つは、自分の緊張が相手に伝わって、そのために相手が緊張している可能性です。
      お店などで、ニコニコして接してくれる店員さんには、なぜかニコニコして応えてしまうことがありませんか。
      私たちの人間関係は、お互いに共鳴し合うものなのです。
      あなたが打ちとければ相手も打ちとけた態度になりますし、あなたが緊張すれば相手も緊張します。
      初めて人と会うときや、いままで話したことのない人と話をするときなどは、誰でも緊張しています。
      親しい相手ならば、自分が言ったことに対して、どんなふうに考え、どんな答えを返してくれるかを、ある程度想像することができます。
      しかし、相手のことをよく知らない場合には、その反応をなかなか想像しきれません。
      こんなことを言って馬鹿にされないだろうか、こんなことを聞いたら気を悪くするのではないだろうか……などと考えて、「いつもの自分」で話せなくなるのです。
      そうした緊張は相手にも伝わってしまいます。
      あなたが「いつもの自分」で話せないとき、じつは相手も「いつもの自分」で話せなくなっていることが多いのです。
      相手がよそよそしい態度をとるのは、あなたに悪い印象をもっているのではなく、ただ、あなたと話すことに慣れていないだけなのです。
      それはあなたにも言えます。あなたが、相手の人とうまく話せないのは、その人と話すことに慣れていないためなのです。
      前で、人生は人とつき合う練習の場だと言いました。
      うまく話せないときには、練習だと思って、思いきって近くの人に話しかけてみてはいかがでしょうか。
      急に誰にでも声をかけられるようになる、というのは無理かもしれません。しかし、以前から一度話をしてみたい、できれば友達になりたいと思っていた人がいるなら、勇気を出して声をかけてみましょう。
      緊張してうまくいかないことがあるかもしれませんが、何度か試すうちに少しずつ変わってくるはずです。
      自分がニコニコしながら話すと、相手もニコニコするし、自分が身を引くと、相手も身を引く、ということがあります。これを「水平の関係」ないしは「情緒の関係」と言います。
      これに対して「垂直の関係」ないしは「力の関係」というのがあります。
      たとえば会社で、強い口調の上司の前に出ると、言いたいことが言えなくなってしまうというようなことはありませんか。
      相手に強く出られると自分が弱くなってしまう、あるいは相手が弱腰の態度だとこちらは強く出てしまう、というような関係を、「垂直の関係」と言います。
      自分の緊張が相手に伝わってしまうのと同じように、自分の弱い気持ちが相手に伝わると、相手の態度は強くなってきます。
      そうすると、自分はますます弱気になり、相手はますます強気になるという悪循環が生まれます。
      自分が弱気になってしまう理由がわかれば、それを改善することができます。そうすれば、もう弱腰になる必要はなくなりますが、こうした関係は、とりたてて大した理由もないのに起こっている場合が少なくありません。
      立場を替えて考えてみるとわかりやすいかもしれませんが、何となく弱腰の相手には、大した理由もなく強く出てしまうことはないでしょうか。
      強く出ることで、相手を「弱い者」にしてしまうわけです。逆に自分の弱さが相手を「強い者」にしているのです。
      学校や職場で、一方的にイヤなことを押しつけられる、いじめられるというときには、「垂直の関係」に陥っていると考えていいでしょう。
      上司に対して気をつかうことは大切です。
      仕事のうえで叱られたり、面倒な役まわりを押しつけられるというようなことは、仕方がないことなのかもしれません。
      しかし、それは、あくまでも「仕事のうえ」のことです。相手が友達や同僚であるならなおのこと、自分を必要以上に卑下ひげすることはないのです。
      イヤなことには「イヤだ」という勇気をもつことが、「垂直の関係」から抜け出す一歩になります。

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