目次
- セクハラとは
- 「性的な言動」の例
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セクハラとは
「セクシュアルハラスメント」、いわゆるセクハラとは、受け手の意に反する性的な嫌がらせ、受け手を不快にさせる性的言動のことを言います。基本的には受け手がその言動を不快に感じた場合にはセクハラとなります。行為する側としては、手や肩に触れたりすることを、「これはスキンシップだ、コミュニケーションの一つだ」と思っても、相手が不快に思えばセクハラになるのです。セクハラになるか否かは、平均的な女性や男性がその状況下において、そのような言動を受けた場合に不快と感じるかどうかを基準に判断されます。言動というのは、言葉や行動です。男女雇用機会均等法上の職場におけるセクハラは、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されることです。「職場」というのは、会社内だけ、勤務時間中だけに限らず、勤務時間外の会社の飲み会や出張先も実質上業務の延長として「職場」での行為に含まれます。セクハラは、男性から女性に対してなされるものが多いのですが、女性から男性、また同性に対するものも含まれます。例えば、女性上司が男性部下に対して「男のくせに、だらしがない」といった発言をするのもセクハラにあたります。 -
「性的な言動」の例
①性的な内容の発言として性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報(噂)を流し広めること、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、個人的な性的体験談を話すことなどがあります。「スリーサイズは?」、「ナイスバディだね」といった身体的特徴を話題にしたり、体調が悪そうな女性に対して「今日は生理日か?」、「もう更年期か?」といった発言をしたり、「初体験はいつ?」、「月に旦那とどれくらいしているの?」といった性体験や性生活についての質問をすることは、セクハラになります。②性的な行動として性的な関係を強要すること、必要なく身体へ接触すること、わいせつ図画を配布・掲示すること、強制わいせつ行為、強姦などがあります。必要なく体に触れるというのは、髪に触れたり、それから肩をもむこともセクハラにあたる可能性があります。わいせつ図画というのは、ヌードポスターなどです。パソコンの待ち受け画面に、そのようなもの設定しておくのも性的な行動にあたります。強制わいせつ行為というのは、抱きついたりすることです。また、性による差別意識に基づく行動もセクハラにあたります。例えば、女性だからと飲み会でお酌を強要したり、カラオケでデュエットを強要するなどです。
セクハラ・パワハラは解決できる!民事調停という選択肢
第1章 弁護士相談 セクハラ・パワハラ問題についてより
セクハラやパワハラの被害にあい、体調不良やメンタル不調に陥ってしまうことがあります。ハラスメント行為は個人の人格権を犯す行為ですが、加害者だけでなく、上司や会社にも取り合ってもらえないこともあります。本書は、こうしたセクハラ・パワハラに悩む方に向けて、元民事調停官である著者が民事調停を活用し、円満に解決するためのコツを紹介する解説書です。