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会社で自分の意見をしっかり聞いてもらう方法

上司に気に入られない。意見を聞いてもらえない。そんなことありませんか?ペプシコ、フリトレー、ハインツ、ゲートウェイ……。数々のグローバル企業で要職を務めてきた女性CEOが、4つの性格タイプとそれぞれに合わせたコミュニケーションスタイルをご紹介します!

ジェーン・ミラー

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目次

  1. ○働くなら、自分を捨てなきゃいけないの?
  2. ・4つの性格タイプ:ぐいぐいタイプ
  3. ・4つの性格タイプ:いきいきタイプ
  4. ・4つの性格タイプ:かっちりタイプ
  5. ・4つの性格タイプ:なごやかタイプ
  6. ○セレンディピティを自分で招く――あなたにできること
  7. ○鏡よ鏡……
  8. ○意見を聞いてもらえるようになるには
     
    自分のスタイルを通しつつ、上司に気に入られるようにするというのは、すごく難しいことに思えるかもしれません。でも、これは「本当の」自分を通すチャンスだと思ってください。ほかの誰でもないあなた自身の魅力を、本当の意味で伝える方法を考えるのです。
    • 働くなら、自分を捨てなきゃいけないの?

      「『ステップフォード・ワイフみたいな』という慣用表現の由来は、1972年の小説『ステップフォードの妻たち』(早川書房)から。基本的には侮蔑する意図で使う。小説では、コネチカット州にあるステップフォードという架空の街で、男たちが妻をロボット――夫のために完璧に仕えるようプログラムされている――に換えていく」
      www.urbandictionary.com
      これもわたし自身が実際に経験した話です。
      何を言っても耳を貸してもらえず、発言を尊重してもらえなくて、もどかしさでいっぱいだった時期がありました。
      「あのー、わたし、ここにいるんですけど!アイデアもたくさんあるんですけど!ちょっとでいいから聞いて!」
      心の中はそんな気持ちでいっぱいでした。わたしがどれだけいい提案をしても、みんな右から左へ聞き流すくせに、誰か別な人が同じことを、ちょっと違う言い方で発言するだけで、やんやと歓迎されるのです。頭の良さを褒めたたえられるのは、もちろんわたしではなく、その人。
      同じことを、違う言い方で。実はこれが大事なヒントでした。
      ある日、何の前触れもなく、シニア・バイスプレジデントのオフィスに呼ばれました。威厳ありまくりの怖ろしいボスで、社内で相当な力を持っていた人です。背が高くて、ハンサムで、スーツの着こなしも完璧で、口を開けばいつも正統派のキングス・イングリッシュ。
      『どういう意味?』
      『いちいち言葉が大げさで、ダースベイダーみたいな喋り方するってこと。』
      オフィスの椅子に座ったわたしは、いつも通りの自分を出すことにしました。偉い人に話すと思わずに、お掃除の人と会話を交わすつもりで、「週末は何をしてるんですか」とか、「ご家族はお元気ですか」とか言ってみました。それからペットの犬について、どうでもいい小ネタを披露しました。たわいもないことですが、それでなごんでもらおうと思ったのです。というより、自分の緊張をほぐすためだったかもしれません。
      お掃除の人になら効果抜群のテクニック。でも、シニア・バイスプレジデントには通用しません。
      ボスは深いバリトンの声で、「いいかい、ジェーン」と言いました。
      「われわれは、きみには大きなポテンシャルがあると思っている。ぜひ能力を発揮してほしいと期待している」
      わたしは胸が高鳴りました。ようやく評価してもらえたんだ、と思ったからです。ところがボスは首を横に振って、「だが、」と言葉を続けました。
      「きみの頭脳や能力が周囲に伝わらないのは、きみのコミュニケーションスタイルが障壁になっているせいだ」
      コミュニケーションスタイル?わたしの?誰かと勘違いしてるんじゃなくて?
      ボスはさらに言葉を重ねます。
      「いくつか改めない限り、ここできみの可能性が開花することはないだろうね」
      いくつか改める?頭が真っ白になっていました。自分のことを言われている気が全然しないのに、目の前のボスは明らかにわたしのほうを向いて喋っています。
      「われわれとしては、ぜひきみの本当の力を出してほしい。そこできみの将来のために投資をしたいと思う。3日間のカウンセリング・セッションを受けてもらいたい。心理カウンセラーと一対一で話をすれば、きちんと場の空気を読めるようになる」
      空気を読めるようになる?本当にそれをわたしに言ってるの?
      こういう場面はいいテストなのかもしれません。金切り声で反論したくなる自分を抑えられるかどうか、試されているというわけです。
      そしてテストはもう一つ。頭を忙しく回転させて状況を理解しつつ、顔は冷静なままでいられるかどうか、試されているのです。
      会社はわたしに「ステップフォード・ワイフみたいになれ」と言っていました。それに対してわたしは、取り乱すことなく、礼儀正しい返事をしていられました。何より重要だったのは、泣き出さなかったこと。自分らしさを捨てろと言われたんですから、泣かなかったのはすごく偉かったんじゃないかと今でも思っています。
      面談が終わってからも、問題を論理的に考えることができました。まだクビになったわけじゃない。それはプラスの点です。カウンセリングとはいえ、会社はわたしの研修に大金を負担する価値があると思っている。それもプラスの点です。
      『経費でフロリダに行けたじゃない!』
      『ホテルの部屋に閉じこもって、カウンセラーと一対一で、頭の中を改造されるためのバケーションだけどね。』
      一連の出来事はすごくショックでしたし、正直に言うと震えあがっていたのですが、わたしは何とか、自分らしさが通用しない理由を理解しようと思いました。ボスが言ったことがまったくの的外れだったわけではありません。たしかに、自分が期待するほど、自分の能力を示せてはいませんでした。会議に出てもろくに意見を聞いてもらえませんでした。
      でも、だからといって、わたしは自分らしさを捨ててロボットになるべきだったのでしょうか。
      答えはNOです。わたしだけじゃなくて、あなただって、そんなことをする必要はありません。
      わたしに必要だったのは、その場の雰囲気、話のペース、話を主導している人に気を配ろうとする努力でした。能力を発揮したいなら、その場のリーダーが誰なのかちゃんと把握して、自分のコミュニケーションスタイルを柔軟に適応させるべきだったのです。それは「自分を捨てる」という意味ではありません。自分の態度が他人の目にどう見えるか考える、ということなのです。
      こんなふうに考えてみてください――ボスがドイツ語を話しているのに、わたしはずっとフランス語を話しているとします。フランス語を押し通そうとすれば、ボスがわたしの適性に疑問を持つのは当然です。きちんと意見を伝えるために、わたしはドイツ語を学ぶ必要があるのです。
      だとすれば、上司と自分の言語が違っていることに、どうやって気づけばいいのでしょうか。
      まず最初にすべきことは、自分自身の性格と、長所・短所を理解すること。わたしはこれを「自己観察(セルフ・アウェア)」と呼んでいます。得意なことは何か。苦手なことは何か。性格の一番の特徴は何か。そして自分が話す相手についても、同じことを考えてみます。
      わかりやすくするために、コンサルタントのロバート・ボルトンとドロシー・ボルトンが開発したツールを紹介しましょう。(※注)「どんな話し方をするか」と「どんな聞き方をするか」という2つのポイントを軸にして、性格を4タイプに整理するというものです。

      4つの性格タイプ

      この表は、わたしが例のカウンセリング・セッションを受けたときに、心理カウンセラーの先生から教えてもらったものです。どうやって自分の意見を言えばいいのか学習するヒントになります。
      それでは、4タイプそれぞれの解説と、使うべき「コミュニケーションスタイル」を見てみましょう。

    • ◆ぐいぐいタイプ
      ぐいぐいタイプは傲慢で冷酷だと見られることもあります。はっきりしていて、決して主観的にならないのは長所ですが、ひどく高圧的になることもあるでしょう。わたしの経験から言って、アメリカの企業のトップにいるのは、たいていこういうスタイルで喋る人たちです。
      ぐいぐいタイプと話すには:事実から話しはじめます。そして事実から話がそれないようにしましょう。こういうタイプの人は結果を求めています。歯に衣着せず、単刀直入な言い方を求めています。結論重視で、要点をすぐに知りたがります。
      先ほどのエピソードで登場したダースベイダーのような上司は、まさにこのタイプでした。こちらが仕事に関係のないお喋りをしていると、耳を貸してはくれないのです。
      『ワンコの話はダメってことね。』
      『質問されたら話してもいいんじゃない?そんなこと絶対に質問されないけど。』

    • ◆いきいきタイプ
      このタイプは一般的に熱意にあふれ、想像力も豊か。物事がうまくいっていて、指導をそれほど必要としない時期なら、こういうチアリーダータイプが素晴らしいボスになるでしょう。その一方で、熱意とポジティブなエネルギーで決断を押し通してしまう傾向があるので、こちらが「方向性を示してほしい、具体的に指示してほしい」と思っているときは、かえってこのスタイルが仇(あだ)になることがあります。
      いきいきタイプと話すには:事実を伝えるときに、少し熱意を盛って話すようにしましょう。「わたしは真剣です」とわかってもらえるように。

    • ◆かっちりタイプ
      このタイプのボスは、厳密であること、きちんと整理されていることを重視します。事実の報告を受けるときも、その情報をどのように入手したか、詳しい説明を求めるかもしれません。どんなプロセスで、どんなふうに仮説を立てたのか、聞きたがるでしょう。ほかの3タイプより細かいところまでつついてきます。
      かっちりタイプと話すには:かっちりタイプとの面談や会議に臨むときは、資料を全部そろえて行きましょう。細かすぎて必要なさそうな表計算シートやレポートまで、徹底的に掘り下げて評価の対象にしてくるかもしれません。それを個人攻撃と受け止めないこと!信頼してないからではないのです。かっちりタイプは細かいデータが大好物。それなら好物をお腹いっぱい食べてもらいましょう。

    • ◆なごやかタイプ
      いつでも協力的で、とてもおだやか。誰だってこんな人のもとで働きたいですよね。こちらが何か提案すれば、そのアイデアをうまく補強してくれますし、仕事ぶりを称賛してくれます。なごやかタイプと話すのは本当に気分がいいものです。
      でも、注意してください。それは表面的な賛辞かもしれません。真の評価はしてもらえていないのかもしれません。こういうタイプは厳しい判断を下すのが苦手で、優柔不断になることがあります。それは決してこちらにとって得になることではないのです。
      なごやかタイプと話すには:攻撃的で強すぎるアプローチは喜ばれません。事実を説明するときは協調性のあるやり方で。なごやかタイプが言うコメントを踏まえて、こちらの話を進めるようにしてください。「理解しました」と示すのです。
      『「わかりました」のしるしに愛情深くハグするのはどう?なごやかタイプなら、心が通じるかも。』
      『そもそも会社で高いポジションにつくような人に、なごやかタイプはあんまりいないよ。』
      ボスになる人の多くは、たいてい2つ以上のタイプを兼ね備えています。たとえばわたしは「いきいきタイプ+ぐいぐいタイプ」です。エネルギッシュで陽気なくせに、結果もしっかり求めるので、周りの人を困惑させているかもしれません。わたしを「いきいきタイプ」だけだと判断する人は、たいてい事実よりも形式のことばかり伝えようとしてしまいます。
      相手がどのタイプであっても、ビジネスの世界のコミュニケーションでは、共通する大事なポイントがあります。それは「つねに事実を踏まえて話すこと」。事実はあなたの味方です。正確な情報があれば足元はぐらつきませんし、あなたがしっかり準備をしていることも、そのビジネスの知識があることも伝わります。
      『やっぱりワンコの話でもいい?』
      『事実だったら何でもいいってわけじゃないんだよ。』
    • セレンディピティを自分で招く――あなたにできること

      空気を読むためのカウンセリング・セッションを受けたわたしは、結局どうなったでしょうか。
      わたしが最初にやったのは、見た目から変わろうとしたことでした。髪をひっつめにして、だてメガネをして。生まれ変わったわたしを見てもらおうと、自信たっぷりに出社しました。こんなスタイルなら意見を聞いてもらえると思って。
      反応は……先輩3人の大爆笑でした!「たしかに前と違うのはわかるけど!」と、声をそろえて大笑い。
      そういうわけで、格好から入る作戦は却下。でもあの一件以来、上司とのコミュニケーションはたしかに大きく変わりました。わたしは相手の言うことや言い方を注意深く聞き、それに合わせて反応するようになりました。するとあからさますぎるくらいがらりと変化して、話を聞いてもらえるようになったのです。きっとあなたにも効果があります。
    • 鏡よ鏡……

      ・自分の性格は4タイプのどれに当てはまる?

      ・他人からどんなふうに接してもらいたい?会話のきっかけとして、たわいのないお喋りは必要だと思う?それともストレートに詳細を説明するほうがいいと思う?

      ・どんなタイプの人と話すときに、特に緊張する?どんなタイプの人と話すときに、特にもどかしく感じる?

      ・自分のスタイルを柔軟に変えられる?

    • 意見を聞いてもらえるようになるには

      キャリアを進んでいくと、話を聞いてもらえない場面には何度もぶつかるものです。特に入社直後はそんなことだらけ。新人なので、まだそれほど意見を尊重してもらえていないのです。自分だけだと思わないでください――誰だって一度や二度は、そんなことを体験しています。
      大切なのは、むしろ人の話をしっかり聞くこと。会議で上司が誰の意見を重視しているか観察しましょう。その人はどんなやり方で意見を伝えているでしょうか。どんな表現方法を使っているでしょうか。上手に主張している人の言い方と、うまく伝えられていない人の言い方を比べてみましょう。大きな違いは何でしょうか。
      効果的なテクニックと、そうでないテクニック、それから自分の仕事に役立ちそうなヒントを、WOW日記にメモしておきましょう。
      ※注 ロバート・ボルトン/ドロシー・ボルトン『対人能力を伸ばせ 人を動かし、自分を活かす技術』(上野一郎監訳 宮城まり子訳、産業能率大学出版部、1985年)
女性のキャリアアップ38の嘘

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