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赤ちゃんのうんちで健康チェック
うんちは、赤ちゃんの健康状態をチェックするためにとても大切なもの。母乳やミルクから主な栄養を取っている赤ちゃんのうんちは水っぽくてゆるゆるしています。
おっぱいやミルクは消化がよいので、栄養は体内に十分に吸収されますが、たくさん取った水分は、どうしてもうんちとして出てしまうので、この時期の赤ちゃんのうんちはやわらかいのです。
離乳食を食べるようになると、しだいに大人のようなうんちになります。
赤ちゃんのうんちの回数は、誕生後しばらくの間は1日6~7回が標準。多い赤ちゃんでは、10回も20回もという子もいます。
これはおっぱいを飲む回数に比例しています。おっぱいを飲むと胃腸が動いてうんちが出てしまうので、たびたび飲む子はうんちもたびたびしてしまうというわけです。
そのうちに、おっぱいを一度にたくさん飲めるようになり、授乳の回数が減ると、うんちの出る回数も減ってきます。生後1か月をすぎたころには1日2~3回になります。
また、母乳やミルクしか飲んでいないのにうんちが黄色いのは、ビリルビンという胆汁の色素の影響です。緑っぽくなるのは、ミルクと一緒に飲み込んだ空気と胆汁色素が混ざり、酸化して変色するためです。
赤ちゃんのおしっこ
赤ちゃんのおしっこは、基本的に黄色で、飲んだ水分の量や汗のかき具合によって、多少濃かったり薄かったりします。
かなり濃くなって、オレンジ色っぽく見えることもありますが、これは水分の取り方が少なかったためで心配はいりません。血尿と紛らわしいレンガ色は、尿酸塩によることもあります。
ただ、いくら水分を与えても色が薄くならないときは、小児科医に相談しましょう。
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母乳・ミルク・混合栄養別赤ちゃんのうんち
母乳育児のうんち
母乳の赤ちゃんのうんちは、ミルクの赤ちゃんに比べてやや水っぽく、やわらかい感じです。ほとんど水のようなうんちをする赤ちゃんもいます。
その原因は、ママの母乳に含まれている乳糖。乳糖は、大腸が水分を吸収するのを抑える働きがあり、ミルクに比べて母乳にこの乳糖が多く含まれているために、水っぽいうんちが出やすいのです。
また、うんちがすっぱいにおいのするときもありますが、これも、この乳糖が原因。赤ちゃんの腸内にいるビフィズス菌が乳糖を利用して増殖し、乳酸をつくるためにうんちが酸性になるからです。
うんちの色は薄めの黄色です。
ミルク育児のうんち
最近はミルクの成分が、母乳にかなり近づいてきたので、うんちの差もほとんどなくなってきましたが、ミルクを飲んでいる赤ちゃんのうんちは、母乳の赤ちゃんに比べて多少かためです。うんちをする回数もやや少なめです。においは、母乳の赤ちゃんよりやや弱め。ミルクに含まれている乳糖のせいで、母乳の場合と同じくすっぱいにおいのときもあります。
うんちの色は、ミルクに含まれる成分がうんちの中で変化して、緑がかっている傾向があります。
混合栄養育児のうんち
母乳の赤ちゃんとミルクの赤ちゃんとの中間の状態です。うんちのかたさ、色、においは、母乳とミルクを飲む割合によって違ってきます。
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心配なうんち
赤ちゃんのうんちは、基本的に黄色でどろっとしていますが、ときにはやや緑がかったうんちが出たり、鼻汁のような粘液や白いブツブツが混じっていたりする場合もあります。
「昨日と同じミルクしか飲んでいないのに、うんちが昨日と違う!」と、心配になるものですが、赤ちゃんのきげんがよくて、熱がなく、食欲もあるようなら、そんなに心配はいりません。
ただ、赤、白、黒など、極端に違った色のうんちが出た場合には病気が原因のこともあります。うんちのついたおむつごと持参して、小児科医の診察を受けましょう。
白いうんち
米のとぎ汁のような白くて水溶性のうんちは、ロタウイルス感染性胃腸炎の疑いあり。せき、鼻水、発熱などのかぜの症状と強い吐き気もあります。同じ白うんちでもややクリーム色で粘土のように固まっていて皮膚や目に黄疸があるときは、胆道閉鎖症の疑いがあります。
■ロタウイルス感染性胃腸炎
■胆道閉鎖症
赤いうんち
トマトやいちごなど赤い食べものがそのまま出ることも多いのですが、いちごジャムのような血便が出て、激しく泣いたり吐いたりするようなら、腸重積症の疑いがあります。一刻も早く病院へ。
■腸重積症
黒いうんち
便に血液が混じって、黒いうんちが出たら、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの疑いがあります。
■胃潰瘍
■十二指腸潰瘍
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赤ちゃんが下痢をしたら
水分補給を
下痢をしたとき、一番心配なのは、脱水症を起こすこと。下痢をした分、母乳やミルクから水分を多めに与えましょう。おっぱいを飲みたがらないときは、湯ざましを飲ませてみましょう。
離乳食はお休みになるかも
離乳食を始めた赤ちゃんは、下痢が治まるまでは食べさせるのを控えます。
おしりのケアを
下痢のときはおしりがただれやすいので、おむつ替えはいつもよりこまめにし、うんちのたびにお湯でおしりを洗ってあげましょう。
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赤ちゃんが便秘をしたら
食物繊維の多い食べものを
離乳食を始めた赤ちゃんなら、食物繊維を多く含んだ青菜、海藻、納豆などを毎日のメニューに組み込んであげて。
綿棒浣腸
ベビーオイルをつけた綿棒を肛門に出し入れする「綿棒浣腸」も試してみましょう。浣腸のときは、うんちが急に出ることがありますので、開いた新聞紙などを敷いておきましょう。
マッサージ
おふろ上がりにおへその周辺を軽くマッサージしたり、脚を持っての屈伸運動も効果があります。
水分補給
水分は、たっぷりと与えましょう。白湯や麦茶でもいいのですが、プルーンジュースやごく薄い砂糖水もよいでしょう。