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- ○ココナッツミルクからもケトン体は合成される
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ココナッツミルクからもケトン体は合成される
もともと、ココナッツオイルが注目されたのでそればかりに注目が集まっていますが、ケトン体の合成を促すのはココナッツオイルだけではありません。ココナッツミルクにも中鎖脂肪酸が含まれていて、ケトン体の合成を促します。ココナッツミルクについての研究報告はほとんどないので、私(白澤卓二)の研究室で次のような実験を行い、ココナッツミルクを摂取することでどの程度、ケトン体の血中濃度が上昇するのかを調べました。
ココナッツミルクでケトン体の血中濃度は上昇する実験は12 名で行った。空腹時にケトン体の血中濃度を測定したあと、キャロット・スムージー(6名)、かきのミルクスープ(6名)をとり、3時間後にふたたび血中濃度を測定した。ココナッツミルクの分量は中鎖脂肪酸が10g になるよう調整し、それぞれ66g ずつ加えた。使用したのはアヤム社のココナッツミルクプレミアム。スムージーを飲んだあとのケトン体(6名の平均)
ココナッツミルク66g(中鎖脂肪酸の量は10g)
スープを食べた後のケトン体(6名の平均)
ココナッツミルク66g(中鎖脂肪酸の量は10g)
Dr.白澤もケトン体がアップ!
せっかくなので、本書で紹介しているレシピの「キャロット・スムージー」と「かきのミルクスープ」を活用して、ケトン体の血中濃度の変化をチェックしました。結果は、どちらのメニューもケトン体の血中濃度が上昇しています。スムージーのほうが数値は高くなっていますが、もともとのケトン体の血中濃度が高いことも影響しているのでしょう。私も実験に参加したのですが、摂取前から0.7mmol/L とかなり高い数値で、摂取後は1.0mmol/L まで上昇しました。ふだんから糖質を制限しているので、ケトン体がスムーズに合成されていることがわかります。また、この実験とは別に、同じヒトでコーヒーにココナッツオイルとココナッツミルクを入れて飲み、ケトン体の血中濃度がどの程度上昇するか簡易測定器で調べました。このときは、ココナッツミルクのほうがケトン体の血中濃度が高くなったという結果が出ています。これらの結果から、オイルと同じようにミルクを摂取してもケトン体は合成されることがわかります。
コーヒーにココナッツオイル・ココナッツミルクを加えて飲んだときのケトン体の血中濃度の変化ココナッツミルク入りコーヒー
大さじ2 杯(30g /中鎖脂肪酸は約5g)を加えて飲んだ場合
ケトン体の血中濃度は…
摂取前 0.2 → 摂取後4時間 0.4
ココナッツオイル入りコーヒー
大さじ1 杯(15g /中鎖脂肪酸は約10g)を加えて飲んだ場合
ケトン体の血中濃度は…
摂取前 0.2 → 摂取後4時間 0.3
ココナッツミルクのほうが中鎖脂肪酸の含有量は少量にもかかわらず、ケトン体の血中濃度が上昇している!
ココナッツオイルと同じようにココナッツミルクを摂取したときも、ケトン体の血中濃度が上昇する。
Dr.白澤のココナッツミルク・ダイエット
1章 ココナッツミルクはこんなにスゴイ!より
順天堂大学大学院教授の白澤卓二氏が最新の医学情報をもとにココナッツミルクによるダイエット方法を考案。さらにココナッツミルクを使った健康&ダイエットレシピを同大学院の研究員ダニエラ・シガ氏が担当し、カンタンでダイエットに良く効くおいしいメニューが満載です。