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【心理カウンセラー執筆】職場の人間関係を円滑にするコツ

自分と自分以外の人は、別の人間であると自覚して、お互いの自由を尊重する“領域意識”が薄い人が職場にいると「横並び」が暗黙の了解になってしまったり、「マネ」が問題になることがあります。
あまり良い気はしないけど、反論すると角が立つし…と、悩んでいる方必見の対処法をご紹介します!

高見綾(心理カウンセラー )

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目次

  1. ○周りに合わせることがいいこととは限らない
  2. ○「相手の考え方はそうなんだな」と視点を変える
  3. ○こっそりマネしてくる人への対処法
     
    • 周りに合わせることがいいこととは限らない

      集団のなかに領域意識が薄い人がいた場合に、「横並び」あるいは「周りに合わせる」ことが、暗黙の了解になってしまうケースがあります。
      社会で生きていくうえで協調性が大事なのはたしかですが、「それはちょっと違うんじゃない?」と思うようなこともときどき起こるものです。
      たとえば、新しい職場で一生懸命仕事をしているとき。
      前任者が残業してやっと終わらせていた仕事を、あなたがやってみたら15時には終わってしまったとしましょう。
      あれ、何かおかしいなと思いますよね。
      そんなとき、先輩の一人がこう言ってきたとします。
      「あなたが頑張ったら、それくらいみんなできると思われちゃうじゃない。私たちが頑張らないといけなくなるんだから、もっと適当に仕事しましょうよ」
      こういうときは、悩んでしまうものです。
      「ああ、そういうことね」と事情は理解できても、だからといって仕事を適当にやるって何かイヤだなあと抵抗を感じる人は多いでしょう。
      一方で、先輩を敵に回したらこの先何かと困ることが出てくるかもしれません。
      こういうときに、まず大事にしたいのは「自分はどうしたいか」です。
      前にも言いましたが、「何がしたくて、何がしたくないか」をハッキリ見極めることが自分の意思で動くための第一歩です。
      冷静になれば、相手はあなたのやり方に口を挟んできているわけで、領域意識が薄い人だということがわかります。
      領域意識が薄い人に合わせて行動するのは、あまりおすすめできません。
      継続することで、相手はあなたの領域に入ってきやすくなります。
      そして「あなたが自分に従うのは当たり前」と思うようになることもあるのです。
    • 「相手の考え方はそうなんだな」と視点を変える

      領域意識の薄い人に対してやってはいけないのは、「相手を否定する」ことです。
      「あなたは間違っている」などと指摘するのは、避けるほうが賢明です。
      相手を否定するということは、「私が正しい」と主張することであり、正しさの争いになってしまいます。
      それに、自分が相手から影響を受けていることを認めることになりますので、相手がそれを認識してしまうと、あなたの領域にさらに入ってこないとも限りません。
      人はこういう状況に置かれると、つい「適当に仕事をすることを強制された」と考えてしまいがちですが、そうではありません。
      「相手の考え方はそうなんだな」と受けとめてみましょう。「相手はそう思っているけど、私は違うな」と自分のなかで確認すれば十分です。
      自分は、自分のやりたいように、「黙って」行動すればいいのです。
      相手に反論したり自分の意見を伝えたりする必要はありません。
      言葉尻をとらえられて言い争いになっても困りますし、意見の対立が明確になってしまうと孤立する要因にもなります。
      相手と対立はしない、でも相手の言いなりにはならない。
      これが大事です。
      相手があれこれ言ってきても、「あっ、ごめんなさい。私せっかちだから、つい……」というふうに、自分の「性分」の問題にしてしまうやり方もありますね。
      「能力が高い」のではなく、「そういう性格である」と言ってしまえば、角が立ちにくくなります。
      それでも相手がおさまらないなら、ある程度の期間は様子を見て、その後、上役の人や責任者に相談してみたり、改善の提案をしてみるのもいいかもしれません。
    • こっそりマネしてくる人への対処法

      周りに領域意識が薄い人がいると、「マネ」が問題になることもあります。
      たとえば、時間をかけてデータを集め、分析して企画書をつくっていたら、いつの間にか同僚がそっくりな企画書を出していた。それも、一度や二度ではないという場合。
      データが共有になっているからマネしようと思えば誰でもできる環境だけど、証拠もないので「マネするの、やめてください」とも言いづらい……。
      こういうケースでは、指摘したところで、相手が認めなければ悪者になるのは自分です。今後の関係を考えれば、直接対決するのは避けるに越したことはありません。
      いちばんいいのは、上の人はちゃんと見てくれていると信じて気にしないことでしょう。周りは気にしないで、自分は自分のやるべきことに集中する。
      でも、アイデアはもちろん、企画書作成にかかっている手間暇も丸ごともっていかれるわけですから、やっぱり腹立たしいと思うこともありますよね。
      対策としては、必要以上の情報を開示しない、期限直前まで企画書を提出しないといった工夫で自衛すると角が立ちにくいと思います。
      あるいは、逆に、よいアイデアは思いついたらすぐに周りに開示していくのも一つの手です。これは、周りを味方につけることにつながります。
      もちろん「偶然同じことを考えていた」という人もいるかもしれないので、そこは許容していく必要がありますが、こっそりマネされるストレスは減るでしょう。
      こんなふうに、具体的な行動によって、お互いの間に強制的に線をひいてしまうことが有効な場面もあります。うまく対応できるようになるといいですね。
ゆずらない力

ゆずらない力

高見 綾

すばる舎

Chapter1より

あれこれ口を出されて思い通りに動けない、残業や取りまとめなどなぜか自分ばかり要求される、比べたがる人や張り合いたがる人のターゲットにされやすい……。そういう嫌なパターンを変えるために本書が提案するのが「ゆずらない力」。他人のために自分を犠牲にすることなく、自然体で過ごしていくためのポイントを紹介します。

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