睡眠圧力のチェック方法【医師執筆】

「３・３・７睡眠法」の推奨する睡眠時間は７時間。これだと「足りない」と感じる人もいます。ところが少しくらいの睡眠不足を感じているほうが熟眠できるという報告もあります。これを説明する前に、まずは自分の睡眠がどのくらいのレベルにあるか、セルフチェックしてみましょう。

診断結果に登場する「睡眠圧」とは、「眠ろうとする力」のことです。この睡眠圧は、睡眠を取らない限りゼロになることはありません。

ただ気をつけたいのは、「睡眠圧がゼロだからといって、その人の睡眠は完璧ではない」という点です。次のセルフチェックの合計点が０点で、睡眠圧がゼロの人より、実は６〜10点の適度な睡眠圧がかかっている人のほうが、日中の適度な活動によって、夜、ぐっすり眠ることができると言われています。一方、11〜20点の人は睡眠不足、21〜24点の人はすぐに休息が必要な人です。

「少しくらいの睡眠不足を感じているほうが熟眠できる」ことを証明したのは、アメリカの精神科医トマス・ウェア博士らの研究でした。

彼らは被験者を、テレビやパソコン、電話や本、音楽もすべてない暗い寝室に17時に入れ、翌朝７時まで過ごさせる、という生活を数カ月続けさせました。実験をはじめてしばらくは、被験者たちは何もすることがなかったためか、12時間以上も寝ていました。ところが実験が長期になってくると、被験者たちの睡眠時間は短くなり、１カ月後には８時間程度しか睡眠時間を必要としなくなりました。

この状態がまさに「睡眠圧ゼロ」の状態です。つまり私たちが眠ろうとする力、睡眠圧をゼロにして睡眠欲を満たしてしまうと、自然と８時間以上は眠っていられなくなるということです。

Ｑ．次のそれぞれの項目について、「眠くなる」「ならない」の度合いをチェックし、点数を入れて、合計点を出してください。

採点方法

眠くならない　　　　　　……0点

たまに眠ってしまう　　　……1点

わりと眠ってしまう　　　……2点

ほぼ確実に眠ってしまう　……3点

□　座って読書をしているとき　（　）点

□　テレビを観ているとき　（　）点

□　劇場など他人のいる場所で、何もしないでじっと座っているとき　（　）点

□　運転はせずに1時間、続けて車に乗っているとき　（　）点

□　午後、ずっと横になっていてもいいとき　（　）点

□　座って誰かと話をしているとき　（　）点

□　昼食（アルコール類はなし）の後、じっと座っているとき　（　）点

□　車に乗って渋滞に巻き込まれ、数分、停止しているとき　（　）点

合計点

0 ～ 5点 「睡眠圧」はゼロ。あってもごくわずか

6 ～ 10点 適度な「睡眠圧」がかかっている状態

11 ～ 20点 「睡眠圧」は重度。睡眠不足の状態

21 ～ 24点 「睡眠圧」は限界に近い状態。ただちに休息が必要