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専業主婦から再就職するときの注意点と失敗しないコツ

ママになってからの再就職…子どもを生む前とは働き方にどんな違いがあるのでしょうか?
忙しさにかまけて忘れてしまいがちなことやお給料アップのコツなど、働く現役ママさんへのインタビューをもとに、ママの働き方の心得をまとめました!

下澤純子

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目次

  1. ○再就職したとき、どんな問題が待っていましたか?
  2. ○時給アップのコツ
  3. ○「仕事」と「お手伝い」の違いとは
  4. ○身なりを綺麗にしていますか?
  5. ○好きでなくても仕事はできる!
     
    • 再就職したとき、どんな問題が待っていましたか?

      専業主婦が、再就職しようと考えた時期の子どもの年齢はさまざまです。意外にも1歳未満という人が多く、また小学校を卒業する頃では、76パーセントの主婦が再就職しているようです。
      子育てをしながら再就職したとき、困ったことは何か、私の周りの働くママさんたちに聞いてみました。

      〈子どもに対して〉

       ・「子どもが一番可愛いときなのに保育園に預けて可哀想」と言われた

       ・「子どもは小学生になるまで一緒にいてあげないとだめよ」と言われた

       ・下校時に家にいてあげられないので子どもに対して申し訳ないと思ってしまう

       ・学校行事に参加できない

       ・家事がやりきれない

      〈仕事に対して〉

       ・子どもが熱を出したときに休みづらい(代わりの人を探さなくてはならない)

       ・学校行事で休みを取りたいとき、会社に対して申し訳ないと思ってしまう

       ・仕事がどんなに忙しくても残業できない

       ・職場の人間関係

      せっかく再就職しても、働きながら悩んでいるママさんは多いようです。これらの声で気付いたことは、働きながら子どもや会社、そして自分に罪悪感を持っているママさんが多い、ということです。
      働く理由が、お金にせよ、自己啓発にせよ、罪悪感を持つのはどうしてでしょう? 「働く女性は生活が苦しくて可哀想な人」と考えるタイプの人が周りに多くいるからかもしれません。
      専業主婦と働く主婦、どちらが偉いとかどちらが大変とか、比較することではありません。今回のインタビューで、私自身も考えさせられました。将来、自分が姑の立場になったときには、再就職で頑張ろうとするお嫁さんに向かって、「子どもは小学生になるまで一緒にいてあげなきゃだめよ」なんて言わないようにしようと思います。
      周りの人たちが、働く主婦をむやみに批判しない、夫が家事と子育てに協力する、当たり前のことですが、解決策はこれしかありません。どんどんご主人に協力を要請しましょう。罪悪感なんて持たなくていいのです。妻が仕事をしている家庭は、家事や子育ては夫婦分担が当たり前ですから。
      私が再就職しようとしたとき、面接の席で私と同じように子どもを持つママが多いことが分かりました。しかも面接官である上司に「ここはシングルマザーが多い職場で、子どもが熱を出したときや、学校行事のときはみなさんで助け合っています!」と言われました。この言葉で、「ここだ!」と決めたのでした(そのとき「もうすぐシングルになる」とは言いませんでしたが)。
      子どもが熱を出したときや学校行事のときに仕事を休みたいと思うのはみなさん同じ。そんなママさんが多い職場なら助け合うことは可能なはずです。
      仕事より子どもを優先するのは当たり前。休みにくい環境であっても子どもが熱を出したら休みましょう。周りに迷惑をかけたぶんは、あとで挽回すればいいのです。そうやって私は働いてきました。
      ただ、残業はむずかしかったのを覚えています。あと1時間だけ仕事を続けようと思っていても、子どもを預けている実家の母から電話がかかってくることがよくありました。「泣きながら待っている子どもが可哀想すぎる」と言われました。それこそ、私の胸は、子どもに対する罪悪感でいっぱいになりました。
      また、独身で実家から通っているような人には、なかなか気持ちは伝わりません。仕事を頑張ろうと思い始めたとき、独身の同僚に「子どもがいる人にできるような甘い仕事ではありません!」と言われたときはショックでした。
      朝起きれば朝食とお昼のお弁当ができていて、洋服にアイロンがかけられていて、会社から帰ればお風呂が沸いていて……。そんな生活を送っている人に言われるのですから、人間関係もおかしくなり、疲れもします。
      しかし仕事への意欲を持ち続ければ、分かる人は分かってくれますから、できることを淡々とやりましょう。
    • 時給アップのコツ

      働くママさんたちに多くあったのが「給料が上がらない」という声でした。
      バブルの頃のように景気のいい時代ではないので、雇う側も、頑張っている人の給料を上げたいという気持ちがあっても経営は大変なのでしょう。
      保育園を始めた私の友人は、シーズンごとに保育士さんを「雇い分ける」ことを理想としていました。認可保育園に入園が決まる4月には、彼女の保育園は入園希望者が減るので、数多くの保育士さんは必要ないのです。
      でも、10月頃から園児は増え始め、人手が足りなくなります。4月から10月までほかの用事や仕事で働けなくても、10月からは保育士として働けるという人がいれば、理想的なのです。
      パートを雇いたいほかの企業も、考えは同じでしょうが、そうそう企業の都合に沿った働き方ができる人はいない、というのが現実でしょう。
      私の場合、工場のパートの時給が750円から1250円まで上がりました。いま思うと、時給が上がった理由は、いくつか私なりに実践していたことが評価されたのだと思います。
      ①何にでも挑戦する
      パソコンにはじめて触りました。当時は液晶ですごく目が疲れたのを覚えています。
      マウスも上手く使えず、肩に力が入ってしまいガチガチでした。慣れるために、席の近い上司とのやりとりもメールでするようにしました。
      上司は私に練習させるために、わざとむずかしい質問をメールしてきます。私も必死に返します。メールにだいぶ慣れてきた頃、工場の隣にあるパソコン教室に会社が通わせてくれることになりました。時給をもらいながらです。
      これからはパソコンができないと仕事はむずかしい。だから勉強してほしい、といった理由でした。
      ②与えられた業務以外の仕事にも手を出す
      企業によっては、パートの仕事内容は決まっていて、ほかの仕事をやらせるには申請が必要という場合もあります。そういった制限が厳しくなかった職場で、私は自分の業務だけでなくほかの部署の仕事も手伝うようになりました。すごくあてにされるようになり、そこにやり甲斐も感じるようになりました。
      基盤図面の整理とか、総務の数字の計算、特に生産管理という部署で、親会社と子会社との業務をつなぐことがすごく面白くなりました。
      ③子育てで残業できず仕事を持ち帰る
      仕事が増えたので、業務時間内に仕事が終わらないことも多くなりました。まだ子どもが小学生でしたので、残業はできず、通勤にも1時間かかりました。そこで、ファイルを持ち帰り、子どもが寝たあとに自宅で仕事することを思いつきます。
      時給の仕事の場合、これは無償になってしまいますので、おススメはしませんが、私はそうすることにもやり甲斐を感じていたので、無理しているという感覚はありませんでした。自宅に持ち帰って頑張ったことで、翌日の仕事がやりやすくなっているとうれしくなりました。ただ、通勤ラッシュでは鞄の中のファイルとお弁当が重く、それは辛かったです。
      時給アップにつながるいくつかの例を挙げましたが、これは決して給料を上げてほしいと会社に媚びたのではありません。仕事にやり甲斐を感じ、自然と楽しくなったのです。
      この経験から時給アップのコツとして言えることは、「コツコツやること」ですね。きっと周りの人は見ていてくれます。
    • 「仕事」と「お手伝い」の違いとは

      仕事をしている人たちには当然の言葉かもしれませんが、「仕事を手伝って」とは、「一緒に仕事をしましょう」ということです。
      無償で手伝ってくれる人を求めている雇い主なんているわけありません。というよりタダで手伝ってほしいなんて、普通は言えないのです。お金を払う代わりに仕事をしてほしいのです。または、いまの私のようなファイナンシャルプランナーの仕事の場合は「同志」を求めているわけです。
      「手伝おう!」と思った人も、「自分は一緒に仕事をするのだ」ということがじつは分かっているのだと思います。それが、上手くいかないと、なぜか「自分はお手伝いのつもりだったから」という言い訳になってしまいます。
      100パーセント、ボランティアでいいのなら別ですが、仕事なのにお金はいらないという人なんているでしょうか? むずかしい仕事をすればするほど見返りがあって当然です。だから責任ある仕事ができる……。言い方を変えると、責任ある仕事をしなければならないのです。
      それでも、この「仕事」と「お手伝い」の区別が分からなくなってしまう人が多いような気がします。人間には欲というものがあります。「お手伝いでいい」「私はお手伝いがしたい」、そう言っていても、人は必ず見返りを求めてしまうものです。「私はこんなにやってあげているのに」と。
      「お手伝いでいい」と言いながら、いつの間にか、「やってあげている」「もっと評価して」「もっと感謝されるべき」という感情が生まれてくる……。
      お手伝いならば、当然何も求めてはいけません。やったことに対して自分だけで満足してください。
      以前こんな人がいました。やたらと「お手伝い」を口に出し、感謝してほしいと言わんばかりでした。そういう人にかぎって、自分の仕事はおろそかで、感謝されたいという気持ちばかりがだんだんと強くなっていきます。そしてお手伝いが忙しいから自分の仕事ができないとなって、最後には「あんなにしてあげたのに」と不満を漏らすのです。かなり矛盾していますよね。
      「本当にボランティアでいいのですか?」
      「やるなら本気でやりませんか?」
      私はボランティアでなく、きちんと仕事がしたいと思っています。そのうえでお客様には正当に評価していただき、やったことをすべてお金にしたい。それだけのことです。
      ボランティア感覚ですと、やはりいい仕事はできません。ちょっと大変な仕事になると、「お金が発生しているわけじゃないし……」といい加減になるのです。よほど好きなことでないかぎり、当然こうなると思います。
      「どうせお小遣い稼ぎだし……」といった感覚は捨てましょう。お小遣い稼ぎだったとしても、仕事は完璧にしてみませんか? 文句ばかり言っているより、やり甲斐を感じたほうが数倍楽しいですよ。
    • 身なりを綺麗にしていますか?

      働きだすと、忙しい! 特に朝は戦争です。子どもにご飯を食べさせお弁当を作り、保育園、幼稚園や学校に送り出す。
      保育園、幼稚園への送りの担当はパパ、というお家のママはすごく助かります。10分でもひとりの時間があれば、あれもこれもできますよね。
      その忙しさの中で注意したいのは身だしなみ。社会に出るのですから「忙しい」は理由になりません。出勤先が、オフィスであっても、お弁当屋さんでも、私のように工場であっても、メイクはしましょう。といっても、厚化粧は変です。
      私は仕事をするために会社に来ている。だからおしゃれは必要ない! それはそうですが、おしゃれしなくてもきちんとした格好をすべきです。
      いくつになっても、「綺麗」は必要。媚びを売るおしゃれではなく「あの人素敵だな」とか「生き生きしている」「輝いている」と言われることは大事なことです。せっかく外で働くのです。仕事することで綺麗になれれば一石二鳥、やる気も倍増することでしょう。
      人に見られているということを意識してみませんか? 会社の人に、あの人綺麗だな、と思われたとき、きっとご主人も同じことを思っているでしょう。そして、子どもが友だちに自慢したくなるようなママを目指しましょう。
      毎朝、化粧する時間を作るのは大変ですね。私はノーメイクで仕事に行ったことはありませんが、メイクに5分とかかりません。前の晩に翌日着て行く服を用意し、必要ならアイロンも当てておきます。職場は工場だったので、夏はTシャツ、冬はトレーナー、下はオールシーズン、ジーンズです。でもTシャツは首がよれているだけで清潔感がなくなり印象も変わってしまうので、そうならないように、私は500円のTシャツにもアイロンをかけていました。
      余談ですが、男性の清潔感がない人も嫌ですね。ご主人は大丈夫ですか? スーツのズボンの折り目やYシャツの襟、目立ちます。マメにアイロンをかけてください。またはご主人にアイロンがけを教えてください。節約も大事ですが、Yシャツは2回に1回はプロに任せたほうがいいと思います。私はアイロンがけが大好きなのですが、それでもクリーニング屋さんの腕にはかないません。
      自分が汗っかきなのを自覚して、もう1枚Yシャツを持ち歩くという、営業職の人がいました。反対に、お客様の前でダラダラ汗を流し、その汗がお客様に記入していただく書類にボトボト落ちるほどなのに、それでもハンカチすら持ち歩かないという人もいました。お客様はきっと嫌ですよね。
    • 好きでなくても仕事はできる!

      第1章では、現役ママのインタビューをもとに、先輩ママとしての仕事復帰のときのアドバイス、心構えを書きました。
      私にも新米の働くママだった時代はあったのです。私の働く目的は生活をするためでしたが、飛び込んだ世界は工場! ドライバーもペンチも持ったことないのに。
      でも、好きなことを仕事にできなくてもどうにかなるものです。もっともその頃、自分は何が好きなのかも分かっていませんでしたが……。
      ちなみに、いまでも私はドライバーを使えません。ペンチを持つ機会もありません。家具などの組み立ては嫌いな作業です。

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