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「日焼けクリーム」と「日焼け止めクリーム」の違い

肌を小麦色に焼きたいときには「日焼けクリーム」、白い肌を保ちたいときには「日焼け止めクリーム」を使いますよね。効果は真逆の両者ですが、いずれも紫外線の特性をうまく活用した製品です。紫外線の特性とあわせて両者のしくみの違いをご紹介します。

涌井良幸

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目次

  1. ○日焼け・日焼け止めクリーム
     
    • 日焼け・日焼け止めクリーム

      近年は美白ブーム。しかし、少し前には「ガングロ」系の人気が高かった。ほんとうにファッションとは移ろいやすい。そうはいっても、夏の海に似合うのは、いつの時代も小麦色の肌。だが、太陽の紫外線でむやみに焼いては、肌へのダメージが大きい。そこで利用されるのが日焼けクリームである。
      ところで、「日焼けクリームを塗ったのに、全然焼けなかった」という話が聞かれる。それは日焼け止めクリームと間違ったからだろう。「止め」が入るか入らないかで、効果が全く違う。
      日焼けクリームと日焼け止めクリームの違いを理解するために、まず太陽から放射される紫外線しがいせんの性質を調べてみよう。紫外線とは光より波長の短い、すなわちエネルギーの強い電磁波でんじはだが、その性格からUV-A、UV-B、UV-Cの3種に分けられる。Cは大気で遮断しゃだんされて地上には届かないため、日常生活で考えなければならないのはA、Bの2種である。Bのほうは波長が短く強烈で有害であり、肌に炎症(サンバーン)を起こさせる。Aは波長が長く穏やかで、肌を日焼け(サンタン)させる。小麦色の肌は日焼けである。そこで、「日焼けクリーム」はBをさまたげ、Aだけを通すクリームなのである。一方、「日焼け止めクリーム」はAもBも両方妨げるクリームである。
      一概に「日焼けクリーム」や「日焼け止めクリーム」といっても、製品によって効き目は異なる。それを分類したのがSPF、PAで表される指標である。SPFはUV-Bの、PAはUBV-Aの防止効果を示している。SPFは50までの数値で、PAはプラス++ツープラススリープラス++++フォープラス の4段階で表示される。どちらも数が大きいほど防止効果が大きくなる。ただし、塗り方によって効果は大きく異なる。説明書にしたがって丁寧ていねいに塗ることが大切である。
      ちなみに、UV-Aは一年中降り注いでいる。また、雲やガラスを透過するため、曇りの日や室内にいる場合でも肌に影響を与える。紫外線に弱い人は、十分注意しよう。

      太陽光線の波長の区分

       太陽からの紫外線はUB-A、UB-B、UB-Cの3種に分けられる。Cは大気で吸収されるので、海ではA、Bだけを考えればよい。

      太陽光線の波長

      日焼けクリームと日焼け止めクリームの違い

       日焼けクリームはUV-B のみをブロック。日焼け止めクリームはUV-A、UV-Bの両者をブロックする。

      日焼けクリームと日焼け止めクリームの違い

身のまわりのすごい技術大百科

涌井良幸

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