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締め切り間際にならないと仕事をしない人の特徴
締め切り間近のお尻に火が付いた状態でないと力を発揮できないという「危機好きタイプ」が存在することは、心理学上認められていることだそうです。しかし、「私はそういうタイプだから」とこのまま改善しなくても大丈夫なのでしょうか。自分自身を見直したくなる、「危機好き」に潜む罠をご紹介します。
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目次
- ○「危機好き」はとっても危険!
- ○「危機を乗り切ったドラマ」の良い面と悪い面
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「危機好き」はとっても危険!
締め切り間際にならないと、力が発揮できない。ある心理学者によると、こういう「危機好き」というタイプは一定数いるとのことで、仕事をためにため込んでしまうのも「性格」ならば仕方がない、と思われるかもしれません。ただ、「性格」というのはしばしば、習慣の別名であったりもします。「何かといえば同僚や上司の悪口を言っている」というのは、悪い習慣でしょうか、それとも性格でしょうか。心理学の専門家でもこの2つをきっちり分けられるわけではなく、考え方次第というところもあります。同じような行動を取るのが「癖」になっているとも考えられるし、そういう性格だからそういう行動を繰り返してしまうのかもしれません。しかしどちらにしても、好ましくない「悪習」を改善できるならそうしたほうがいいでしょうし、「性格だから仕方がない」といっても、変更ができるならそうしたほうが、本人にとってもメリットがあるはずです。締め切り間際にならないと「本気が出せない」というのも、そういう性格なのかもしれません。しかし、もう少しましな計画を立てて、毎日少しずつ「本気を出す」習慣に切り替えることができないとも限らないのです。できるのならば、そうしたほうがいいのは言うまでもないはずです。 -
「危機を乗り切ったドラマ」の良い面と悪い面
危機好きタイプの人はつまり、強い危機感と、それを乗り切ったという強烈な成功体験だけが、仕事のモチベーションになっているタイプです。夏休みも終わり間際になって、急激に不安に襲われて、3〜4日で膨大な宿題をイッキにこなした「成功体験」が忘れられないのかもしれません。ここには2つの心理があります。まず、迫りくる締め切りが間際にならないと、あまりリアリティを感じないという感覚。あと「3日」くらいになって初めて締め切りにリアリティを感じて、急激に不安感が募るのですが、それまでは割と安穏としていられるわけです。そして、危機的状況を乗り切ったという成功体験の記憶。これはヒロイックなストーリーで彩られているかもしれません。仕事をやる。宿題を終わらせるといっても、人それぞれの動機づけは違うでしょう。「俺はたった3日であの膨大な仕事を終わらせたのだ!」という体験が、ポジティブなストーリーとして記憶に刻まれている人がいても不思議はありません。もちろんこれにはネガティブな側面もつきものです。宿題にしても、雑な字でひたすら白紙を埋めただけかもしれませんし、仕事にしても、やらなくて良さそうだと判断したところはとことん手を抜いた、あるいは、やらなければいけないところも可能な限りごまかしたのかもしれません。それでもやっと終わったというだけか、本当は終わってすらおらず、関係者に多大な迷惑をかけた末、何とか致命的な状況は避けられただけかもしれないのです。おそらく危機好きなタイプというのは、この種の成功体験の良い面を拡大し、悪い面は忘れています。過去の危機を「忘れている」と言えば、言いすぎかもしれませんが、ものすごく過小評価している可能性が高いのです。危機的な状況に格闘するのは、ドラマチックかもしれません。しかしそれは、意味のないドラマにすぎません。何より、曲がりなりにも「成功」していれば良いでしょうが、本当に致命的な結末に至るリスクがあります。ドラマを演出するために「仕事をためる」というのは、割に合わないと考え直す必要がありそうです。
仕事の渋滞は「心理学」で解決できる
第1章 「仕事の渋滞」の原因は「心」が9割より
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