目次
- ○バランスの悪さは頭のキレのよさ?
- ・横線左方長突出型
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バランスの悪さは頭のキレのよさ?
「平」の字、第4画横線の左側への突出度で、その人の「頭の回転のよさ」がわかります。左側へ大きく飛び出している横線、みなさんの多くはこの文字を見て、「バランス悪いなぁ」という印象を抱かれたかと思います。それは、原稿用紙や文字の練習帳など、決められた枠の中にきちんと文字を収めるよう小さい頃から訓練されて、自然と身についた感覚だからです。このように起筆となる横線が左方向に突出している文字(【横線左方長突出型】)。もちろん意識的にそうしているわけではありません。文字を書く際、はじめにペンを打ち込む部分を起筆といいますが、その起筆を必要以上に遠くから打ち込ませる深層心理には、書き手のなんらかの「エネルギーのほとばしり」のようなものがあらわれていると思われます。本来使わなくてもいい労力を余分に消耗する形になる起筆の突出は他に、「神」の項で説明したリーダー性を示す【頭部長突出型】がありますが、上への突出が文字通り「人の上に立つ感覚」であるのに対し、この左側への突出は意味合いが異なります。では、運筆方向に逆らってまでも心の奥底から表現したがる「エネルギーのほとばしり」とはいかなるものか。それは、書き手の思想やアイデア、才能のようなものであると考えられます。自分の中にある「才気」ともいうべきものを自分の内だけに収めてはおけず、自分の外に向けて放出しようとするあふれんばかりの強い想いが、横線左方への突出を並以上に大きくさせているのです。また積極的で惜しみなくエネルギーを使うことから、行動派で情熱家という側面もあります。人目を引く筆跡特徴であることから、周りから注目されるような才能や華やかなオーラを放っている人にもこの筆跡傾向が見られます。このタイプで代表的な人物をひとりあげるとすれば、聖徳太子。「10人の話を同時に聞くことができた」というエピソードはあまりにも有名です。その真偽はさておき、頭の回転が速かった人物であったことは疑いようがないでしょう。横線左方の突出は才気横溢(才能・才気のほとばしり)とともに、頭脳の明晰(めいせき)さや頭の回転の速さもあらわします。歴史上の人物でいえば、最澄、真田幸村、大久保利通などの筆跡にも横線左方長突出が目立ちます。経営の神様、松下幸之助も大きな横線左方長突出型が多く見られる人物でした。総じて、有能な人物が多い筆跡特徴といっていいかもしれません。この章に出てくる「東」の第1画、「京」の第2画、「都」の第3画、「和」の第2画などでもその特徴を取ることができます。
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・横線左方長突出型
才気のほとばしり、頭の回転が速い、有能性
なりたい自分になる! 筆跡の魔法
第2章 筆跡からわかるあなたの個性より
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