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クレーム顧客を引き継いだ時の対応方法【クレームコンサルタント執筆】
営業の仕事をしていると、前任担当者がお客様とトラブルを起こしたので自分が引き継ぐことになった、ということもあります。そのような場合、その後の仕事ぶりは勿論ですが、担当変更の挨拶の時点で気を付けなければならないことがあります。2000本以上のクレーム対応をしてきたクレームコンサルタントにポイントを伺ってみましょう。
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目次
- ○アウトな対応例
- ○OK対応例
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アウトな対応例
お客様 「前任の〇〇君、ミスばっかりで、おたくの会社は一体どうなっているんだ」
対応者 「私はしっかりやりますので、ご安心下さい!」
お客様 「しっかりやるって、何を根拠に言っているんだ。前任がどんなミスをしたのか君は知っているのか!」
対応者 「え~、それは……」
このような例において担当変更の挨拶の時点では、お客様の怒りが完全に収まっていないケースが少なくありません。そのために、あなたの会社に対して不信感を募らせている状態のお客様に「ご安心下さい!」と言っても、お客様は信用してくれません。次の例のように、前任者がどのようなトラブルを起こしたのかという〝事実〟をしっかり把握してから、お客様のところに担当変更の挨拶と謝罪に出向くのが良いでしょう。 -
OK対応例
お客様 「前任の〇〇君、ミスばっかりで、おたくの会社は一体どうなっているんだ」
対応者 「当社の対応に多大な失礼があり、ご不便をおかけしましたこと心よりお詫び申し上げます。私どもに気持ちの緩みがあったことを深く反省しております。今回ご指摘いただいた点につきまして、私が責任を持って改善に努めさせていただきます」
このように、前任者の仕事のミスをしっかり謝罪したうえで、その事実を自分たちが把握していることを明確にして、今後は新しい担当の自分がどうやって問題を解消していくのかというところまで伝えられれば、お客様は、「前任者のミスの内容を認識しているし、同じことが繰り返されることはないだろう」という安心感を持つようになります。今、日本の社会では、謝罪を求める傾向が強いと思います。外国製エレベーターの会社が人身事故を起こした際、事故原因が不明だったため、外国人経営トップは謝罪せず、また不祥事の責任についても明言しなかったことで、問題を大きくしたことがありました。この会社の初期対応は大失敗だったと言われても仕方のない事例です。最近の日本では、被害者側は加害者からの謝罪を強く求めます。それは、「自分のことを大切にしてほしかった」「尊重してほしかった」という気持ちが強いからです。この心情的な被害については、金銭による賠償、返品やサービスのやり直しなどの物理的な手段では、解決することができません。クレーム対応を、特別なビジネスコミュニケーションとして考えるのではなく、そもそも人と人とのコミュニケーションであると考えて、クレームを言ってくるお客様の気持ちに寄り添いながら、自分たちの非について素直に頭を下げるしかありません。たった一人の社員の不誠実な対応がきっかけで会社全体のイメージが大きく失墜することもあれば、会社全体の不誠実な対応をたった一人の社員の誠実な対応で挽回することもできます。それが、クレーム対応という仕事なのです。
営業マンの方からよく受ける相談があります。それは、前任の営業担当者がトラブルを起こし、「担当者を代えろ!」とクレームがつき、自分が担当を引き継ぐことになった場合は、どこに注意すればよいのか、という相談です。まずアウトな例を挙げましょう。
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