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よくあるクレーム「金返せ!」の対応方法【クレームコンサルタント執筆】
たまたまとった電話や目の前にやってきたお客様から「金返せ!」と言われたら、それだけで内心パニックになってしまうものではないでしょうか。そんな時にもお客様に誠実に対応するには、たったひとつだけ、予めできる対策があるそうです。テレビでも活躍するクレームコンサルタントの著書からその対策をご紹介します。
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目次
- ○「金返せ!」と言われたらどうする?
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「金返せ!」と言われたらどうする?
お客様の要望で「お金を返せ!」というクレームにはどう対応するのか?その答えは1つです。判断基準を決めておくということです。その判断基準は、お客様との約束を果たすことができたかどうかを基準として考えて下さい。契約の内容どおりだったかどうか、契約が履行されたか否かで判断するのが良いと思います。お客様に言われたから、お金を返すのではないということです。例えば、ネット通販でお客様から注文を受けて発送した桃10個のうち、3個が腐っていた場合、これはお客様との約束を果たしていません。契約不履行です。本来、10個分の代金をいただいているにもかかわらず、7個しか提供できていないことになるので、その差額を返金するか、あるいは新たに3個をお届けするかという解決策をお客様に提示することになります。一方、お届けした桃10個が「美味しくなかった」「色味が悪かった」というクレームに関しては、10個提供するというお客様との契約(約束)は履行されています。この場合、お口に合わなかった、色合いにご満足いただけなかったことに対する謝罪にとどめ、返金までする必要はないと考えるのが妥当です。クレームで従業員が怒られるムダな時間を使うくらいなら、お金を返したほうが手っ取り早いと考えている会社も少なくないのが現状です。これは、ダメなクレーム対応と言わざるをえません。あるドラッグストアでお客様から「花粉症の薬の効果がなかった。何の役にも立たなかった」と大声でまくし立てられたことで、恐怖心にかられ、すぐに返金の手続きをしようとした薬剤師さんがいました。ところが、そのような対応では、「アンタは何もわかってない。金で解決しようとしやがって!」と、お客様はさらにお怒りになります。このようなケースでは、お客様はお金を返してほしいと思う以上に、薬の効果がなかったことにガッカリしていると冷静に判断することが大切です。お客様は目の痒みと鼻水を止めてほしい、花粉症で仕事にならないのが悩みで薬の効果に期待していたのです。お客様の要望はここにあるわけです。このお客様の要望に応え、あるいはお客様の抱えている問題を解消するために、この薬はあまり効き目がなかったかもしれないので、目薬や花粉を完全防備できるマスクを紹介したり、少しでも部屋に花粉を持ち込まない方法を提案したりするなど、プロとしての解決策を出すことができれば理想的です。これこそが薬剤師に求められることでしょう。このとき、お客様はなぜクレームを言ってきたのか(事実)、何を求めていたのか(要望)を確認して、解決策を出すという軸からズレないようにして下さい。
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