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リーダーがチームメンバーのことを知るコツ
仕事でチームを組んだ時、リーダーはまずメンバーを知る必要があります。ひとりひとりの特性を生かす上で何より大切なことですが、実は先入観なしで人を受け入れるのは非常に難しいことでもあります。そこでまずオススメなのが、自分自身を見直し、先入観を取り除くことです。そのために有効な自己分析方法を2点ご紹介します。
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目次
- ○メンバーを知るための一番のコツは、相手のそのままを受け入れること
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メンバーを知るための一番のコツは、相手のそのままを受け入れること
メンバーの理解を深めようとするとき、まずはメンバーのことを知ろうとするかと思いますが、それではうまくいきません。他者を知るためには、まず自分を知る必要があります。人は、世の中をありのままに見ることはできず、思い込みや価値観など、自分のメガネを通して世の中を見ているからです。赤いメガネをかけていれば、世界は赤く見えます。しかしそれは、世界が赤いということではありません。したがって、自分がどんなメガネをかけているのか、自覚する必要があるのです。そのためには、ある2つのことが必要です。1つ目は「自分に関心を向ける」ことです。たとえば、1つ例をあげてみましょう。「人が育つ」ということについて、次のように2つの見方をあげます。どちらをよりそうだと思うのか、選んでみてください。A:人は「育つ」ものである
B:人は「育てる」ものである
どうでしょうか、選べましたか。この例から、あなたの「人材育成観」がわかります。もちろん、どちらが正しいというわけではないので、どちらを選んでもよいと思います。ただ、自分はどのように考えがちなのかを知るきっかけとして役立ててください。では、それぞれの特徴を見ていきます。Aを選んだ方は、人は「育つ」ものと考えているので、その人個人が育つことを邪魔しないよう関わります。つまり、リーダーの立場であっても、メンバーに細かく指示するのではなく、相手から相談してくるのを待ち、こちらから介入することを極力避けるようにしたいという考えが根っこにあります。一方、Bを選んだ方は、人は「育てる」ものと考えているので、成長に向けて積極的に関わります。リーダーであれば、メンバーに対して、こちらから相手にアクションを起こしたり、相手の状況次第では、積極的に介入したりして変化を促したいという考えが根っこにあります。このように、同じ1人の人に対しても、リーダーがどのようにメンバーを見るかによって、状況の評価判断は変わりますし、結果として行動も変わります。つまり、相手がどうこうではなく、自分の見方次第で、相手に対する行動も変わってしまうのです。だから、自分がどんなメガネをかけて世界を見ているのか、まずは知ることが重要なのです。そして2つ目は、本書のタイトルでもある「すぐに決めない」、つまり「すぐに評価判断しない」ことです。ここではそれを「保留する」という行為に置き換えて説明します。この「保留する」ことが、準備の段階で重要なもう1つのポイントとなります。自分がどんなものの見方をしているか気づいたうえで、他者を見ると、今までは無意識のうちに「今見たことは、事実である」と受け取っていたことが、「今見たものは、自分がそう見ているものでしかない」と捉えるようになります。「事実」だと思っていたことが、「1つの見方による自分の解釈」と気づけるので、とても大きな変化です。しかし次の段階で、「でも、それはあり得ないよね」「だから、あいつはダメなんだ」という評価判断が入ります。それでは、せっかく違う角度から物事が見られるようになっても、自分の考えを相手に押し付けるだけになってしまいます。そのため、「保留する」ことが必要になります。「自分からすれば、それはあり得ないことだけど、その評価判断を一旦横に置いて、話の続きを聞いてみよう」といったように、無理に受け入れるのではなく、事実としてその状況や物事を一旦横に置いておくことが「保留する」ということです。これらが、メンバーを知るための準備に必要な2つの要素です。そして、この2つの要素を通じて、「相手のそのままを受け取る」準備が整います。自分がどう見るか、どう判断するのかではなく、相手がどのような状態で、どうあるのかを、そのまま受け取る姿勢が整ってきます。これができると、メンバーの「可能性の種」がたくさん見えてくるはずです。これは、チームを築くうえですべての土台になる部分なので、ぜひ、習得してください。きっとそれだけでも、チームに変化が生まれると思います。