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緊張感を相手に悟られないコツ

どうしても緊張してしまう相手っていますよね。そんな緊張は得てして相手に伝わります。相手にその緊張が伝わると相手も身構えてしまい、円滑なコミュニケーションに至らないケースが多いのではないでしょうか。
しかし、緊張は仕方ないにしても、コミュニケーションを良い方向に変えることは出来るのだと、自身もコミュ障を自認する作家・印南敦史さんはいいます。緊張する相手とのコミュニケーションのコツを、印南さんの著書、『コミュ障のための聴き方・話し方』から覗いてみましょう。

印南敦史

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目次

  1. ○「ビビり」は相手に伝わる
  2. ○相手に対する「真実の興味」は不器用であっても温かい形で伝わる
     
    • 「ビビり」は相手に伝わる

      もう10年以上前になりますが、ある国民的ロック・スターに3か月間張りついて取材をしたときのことです。
      大人の事情があるので名前を出すことはできませんが、その人は、日本人なら知らない人はいないだろうというほどの超有名人。日本の音楽界の重鎮です。
      ですから、いくら「人間はみんな同じ」という考えを持っているとはいえ、会うとなれば僕の緊張感もハンパなかったわけです。
      月に何度かのハイペースで取材を進めましたが、そのたびに「なにかマズいことを口にしたら、その時点ですべてがパーになってしまう」というような緊張感と背中合わせだったのですから。
      僕は自分のそんな精神状態を「とてもよくない」と感じていました。緊張して「フラットな状態」を保てないのであれば、ベストな取材などできるはずがないからです。
      とはいえ、どうすることもできません。
      「人間なんて、みーんなおんなじよ!」と思っていたくせに、そういうところではコミュ障体質がひょっこりと顔を出してしまうのです。
      しかしそうなると、こちらの「好意」が相手に伝わるのと同じように、緊張状態も露骨に伝わってしまいます。
      その人は人に厳しいことでも有名。こちらがビビッていることを敏感に察知していることは、流れる空気の密度ではっきりとわかりました。
      もちろんそれでキレたりすることはないものの、「ああ、こいつ緊張してんだな」と即座に気づいたことでしょう。
      取材は回を重ねるごとに慣れてはいきました。けれど自分にとっては、まだまだベストとは言い難い……。それどころか、「仕事のクオリティとしては普段の50%にも満たないな」と自己嫌悪に陥っていたような状態でした。
      状況が変化したのは、3か月の取材期間が終盤に差しかかったころのことです。「終わり」が近いことを実感せざるを得なくなったなか、自分の意識が明らかに変わったことに気づきました。
      「もうこの人に会うことはないだろう。気軽に会えるような相手ではないのだから」
      そんな意識が次第に強くなっていき、焦りが生まれたのです。
      それはネガティブな焦りではありませんでした。なにしろ、うまくいこうが失敗しようが、会える回数は決まっていて増えることはありません。
      「気軽に会えないような存在だったら、必要以上に気をつかわず、聞きにくいことやツッコミづらいことも聞いてしまっていいのではないか?」。そんな気持ちになっていったわけです(もちろん、礼儀をわきまえたうえでの話ですが)
    • 相手に対する「真実の興味」は不器用であっても温かい形で伝わる

      ある日のインタビューを境に、僕はスタイルを変えました。変えたというよりも「必然的に変わった」のです。
      聞きづらいことも笑顔で聞き、ツッコミどころには反応し、という感じで、ぐいぐいと押していきました。それで相手が気を悪くしたとしても、そのときはそのとき。
      当然ながら不安もありましたが、いざやってみるとそれほど恐ろしいことではありませんでした。そして明らかに、その人の態度が変わりました。
      しかも悪い方向にではなく、いい方向に。
      遠慮していたころはそれなりの答えしか返してくれませんでしたが、ガンガン突っ込めば突っ込むほど反応がよくなり、普段話さないようなことまで話してくれるようになったのです。
      そればかりか、その日以降、その人は話の合間に真の姿というような弱音をこぼすようにもなりました。「こういう立場にいるのも大変なんだよ」と。
      国民的ロック・スターのそのリアクションは、本書(57 ページ)に登場したAさんにとても近いものでした。
      大スターとAさんとでは社会的なステイタスは違いますが、やはり最終的には同じ人間。いろんな角度から観察してみたり、興味を持ったり、好意を持ったり、そういう積み重ねをしていけば、自分の思いは必ず相手に伝わるということです。
      そこにスキルや要領のよさは必要ありません。事実、そのアーティストへの僕の突っ込み方も、非常に不器用な対応だったと思います。それでも伝わるのです。
      重要なポイントは、これが特別なケースではないということです。同じことは、いろんな人の、それぞれの状況にもいえることなのです。

       1 不安感もネガティブな気持ちもすべて受け入れる

       2 「失敗して当たり前」だと開きなおる

       3 いろいろな角度から観察し、相手に対する偏見を捨てる

       4 そして純粋な興味を持ち、小さな気づきに焦点を当てる

       5 ビビらず、聞きたいことを積極的に聞くようにする

       6 ただし、礼儀は大切に。そして、できれば笑顔で


      まとめると、こんな感じになるでしょうか。
      相手が人間でありさえすれば、これはどのような相手、どのようなシチュエーションにも応用できると思います。

人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方

印南敦史

日本実業出版社

若い頃から「コミュ障」を自覚していた著者が、ライターやラジオ番組のパーソナリティーとして、初対面の人の取材を数多くこなせるまでになった「頑張らずにうまくいくノウハウ」を初公開。読めば「これなら自分にもできるかも」と実感するはず!

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