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部分痩せは不可能な理由
二の腕や太もも、お腹周りなど、気になる部分をピンポイントで細くする「部分やせ」。薄着になる季節には特に取り入れたい方も多いのではないでしょうか。
しかし、体の一部分だけ効果的に痩せるということは、果たして可能なのでしょうか?格闘家として激しいトレーニングを続けてきた体づくりのプロの著書から、気になる部分やせについてご紹介します!
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目次
- ○「部分やせ」という幻想
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「部分やせ」という幻想
モデルをしているような細身の女の子に「ダイエットをしたい」という相談を受けることがよくあります。私はたいてい「あなた、これ以上やせる必要ないでしょう? やせてどうするの?」と返すのですが、その子はたとえば二の腕あたりを指して、「このへんがちょっとプニプニしているので、ここだけ絞りたい」というのです。いわゆる部分やせです。女の子からのダイエット相談で、いちばんといっていいほど出てくるワードのひとつです。ダイエット本に興味がある女性なら「タオル一本で部分やせ」的な本、メタボが気になる男性なら「お腹が凹へ こむ○○」のような本を一度は手にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、この部分やせに関してもみなさんに耳障りなことをいわなければなりません。ひとことでいうなら、部分やせというのはたんなる幻想です。たとえば「メタボなお腹を引き締めたい」と考えて、お腹に汗が出るバンドを巻いて運動したとします。そのバンドが汗を吸い込んでいるのを見て引き締まっているように感じてしまうかもしれません。しかし、先ほど記したように、汗はたんなる水分なので、補給すればすぐに元に戻ります。また、仮にひたすら腹筋運動したとしたら、もちろん腹に筋肉はつきます。しかし、お腹の脂肪が優先的に燃やされて減少しているかといえば、そんなことはありません。同じことが「二の腕の部分やせがしたい」という人にもいえます。二の腕に何かを巻いてトレーニングしても、二の腕の脂肪が優先的に燃やされたりはしません。あくまでも「全般的な運動によって全身の脂肪が燃えることで二の腕も引き締まってくる」という順番なのです。これもカラクリとしては、これまでのダイエット法が効果的に見えてしまうパターンと同じです。部分やせのためにバンドを締めて運動したおかげでその場所がやせたように見えますが、じつはバンドは関係なく、運動のおかげで全体的にやせているだけなのです。「脂肪がつきやすい場所」というのは個人差があります。それは体質であり、なかなか変えられるものではありません。私の場合、太り始めるときは、まずお腹の横の脂肪からつき始めます。でも、どんなに激しい――それこそ格闘家ならではの、一般の人では考えられないような激しさの――腹筋をしたとしても、お腹の脂肪が先に落ちることはありません。哀しいかな、最初に脂肪がつき始める場所は、たいてい最後に脂肪が落ちるのです。
プロ格闘家流「できる人」の身体のつくり方
第1章 「ダイエット常識」のウソ――すべて実体験で検証!より
なぜ世にはびこる「お手軽ダイエット法」は無意味なのか。なぜスポーツジムがすすめるジョギングなどの「有酸素運動」ではやせないのか。なぜ1日3食とってもお腹がすくのか。なぜほとんどのダイエット法は挫折するのか。元世界ランキング1位のプロ格闘家で、日本一たくさん道場を経営する格闘技業界No.1経営者が、食事と運動に関して、プロ格闘家としての経験から学んだ真実に加え、科学的な裏づけもとった「やせてあたりまえの方法」を伝授する。