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中小企業がSDGsに取り組むべき理由

SDGsを取り巻く環境を長期・俯瞰的に捉えた結果、中小企業がSDGsに取り組むべき理由は、3つの方面から取り組み要請が高まっていることにあります。その理由を掘り下げてご紹介します。

越川智幸

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目次

  1. ○3つの方面から要請が高まる
  2. ○顧客からのSDGs取り組み要請が高まっている
  3. ○将来世代からのSDGs取り組み要請が高まっている
  4. ○政府からのSDGs取り組み要請が高まっている
     
    • 3つの方面から要請が高まる

      SDGsを取り巻く環境を長期・俯瞰的に捉えた結果、中小企業がSDGsに取り組むべき理由は、3つの方面から取り組み要請が高まっていることにあります。
      ①顧客からのSDGs取り組み要請が高まっている
      ②将来世代からのSDGs取り組み要請が高まっている
      ③政府からのSDGs取り組み要請が高まっている
      以上の3つです。その理由を掘り下げてみましょう。
    • ①顧客からのSDGs取り組み要請が高まっている

      大企業は事業規模の大きさゆえに、社会への影響も大きくなります。多くの人材がいるので、中小企業に比べて、SDGsを推進する体制が整えやすい環境にあります。
      また、大企業では事業に使う資金を多く集める必要があり、その手段として株式を公開(東京証券取引所に上場するなど)して、多数の株主から出資を集めること、および金融機関から融資(借入)。を受けることなどを行います。これらの資金調達の資金の出し手は、日本に限らず世界全体に及ぶことが多くあるため、日本の企業であっても、国際的な基準で行動する必要性が生じます。
      SDGsとは別の分野ですが、企業会計の分野では、IFRS(国際会計基準)を採用する大企業が多くあることからも国際的な基準で行動する必要性が分かります。
      このように、大企業は資金調達の観点から国際的な基準で行動する必要性があり、世界的な課題に対処する行動をとります。SDGs(金融分野ではESG)を必須条件とする傾向はますます高まりつつあり、事業活動による影響の大きさと資金調達の面から、大企業への社会的なSDGs要請が強まっています。これが数珠つなぎで中小企業への要請となるわけです。
      事業基盤である地域社会においても、環境や社会に配慮した商品やサービスが求められる傾向にあります。これまでは健康に良いものなど消費者自身にメリットがある商品やサービスが好まれていましたが、これに加えて環境や社会に悪い影響がないか、が選択基準になってきました。大規模災害が増えるにつれて、このままでは地球環境が維持できないと実感する人が増えているのでしょう。
      地域の中小企業としては、地域社会のニーズが変わりつつある事実を受け入れ、自社の商品やサービスを地域社会のニーズ変化に対応して展開することが事業成長のきっかけになります。
      取引先の大企業からの要請や地域社会ニーズの変化は、中小事業者にとって大きなチャンスです。環境変化の情報をキャッチして、機を逸せずに対策を講じることは経営に不可欠な観点であり、顧客の要請に応えることは経営の根幹です。
    • ②将来世代からのSDGs取り組み要請が高まっている

      SDGs経営は、人材採用に効果があるとされ、特に若い世代には訴求力があります。例えば人材採用時の面接においては、企業側の社会的な活動状況、商品等で予め調べ、面談時に質問するケースが多いようです。SDGs経営は、人材採用時点に会社の事業意義および社会的存在意義をSDGsにより具体的に示すことができ、就職者からの共感を多く得ることができます。
      実際に、人事部門の方や人事系コンサルタントの方が、SDGs推進ネットワーク福岡のSDGsセミナーにも勉強にお越しになり、SDGs経営による人材採用、人材育成面での活用に期待が集まっています。
      さらに、SDGsが会社の方向性を具体的に示す共通指針となることで、従業員との意思統一とモチベーションの向上等、人材育成上の基盤となり得ます。若い世代、将来世代からのSDGs取り組み要請が高まる状況下においては、長期的な視点で人事戦略を検討することが重要です。
      地域の中小企業は、日々の業務に追われて、どうしても短期的な視点になる傾向があります。これは、日々の業務に集中することでもあり、経営資源が限定的な中小企業においては、あながち否定することはできませんが、やはり中長期的な視点を持つことは必要です。
      SDGs経営は、長期的な視点でSDGs課題を解消して、環境や社会に配慮した事業活動への取り組みを推進するものです。経営の視点を中長期に伸ばすとともに、環境や社会に良い経営をする方向に視野を広げることができます。
    • ③政府からのSDGs取り組み要請が高まっている

      SDGsは国連で採択され、日本でも政府一丸となり各省と協調し地方自治体とも連携して進めているものです。大企業だけではなく、政府や地方自治体としては、大企業だけではなく、地域を牽引する中堅企業、地元密着の中小企業についても、SDGs経営の浸透を期待しています。実際に、政府が定めた「SDGsアクションプラン」には中小企業におけるSDGs取り組みの強化が明記され、期待の高さが分かります。
      したがって、政府としては中小企業におけるSDGs取り組み要請を高める方向へ舵を切ることが予想されます。推進の実行力を高めるために、SDGsに関する経営計画の承認制度や補助金制度等の支援施策を創設することは十分に考えられます。
      政府のSDGs取り組み要請が自社への追い風となるように支援施策を活用することは、中小企業政策に沿うことであり、環境や社会に良い影響をもたらす経営を組み込み実効性を高めることにもなります。すでに、省エネルギー性能を高める設備投資への補助金、BCP計画に対する認定制度および補助金の優先採択制度など様々な中小企業支援施策があり、経営革新計画または経営力向上計画の承認を受けることによる金融面および補助金等の優遇措置制度が存在します。
      半面、環境や社会にマイナス影響を及ぼす企業に対しては、支援施策のハードルがあがり、経済的な負荷が課される可能性もあります。
      現時点では、しっかりとSDGsに取り組み、環境や社会に配慮した「利他の心」でのSDGs経営を根付かせ、SDGsに対する金融面や補助金等の支援施策が強化される場合には、機を逸せずに活用するスタンスで先行して体制を整えるのが良いと思います。
明快!中小企業のためのSDGs経営

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越川智幸

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