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失敗を恐れない力を育む方法
イマドキの新入社員は、失敗を極度に恐れているという話を耳にします。例えば、下手に電話に出て、失敗して恥ずかしい思いをしたり、怒られたりする可能性のある電話は恐怖だというわけです。確かにその対策としては、電話に出ないのが一番です。しかし、それでは仕事になりません。では、どのようにして克服していけばよいのかご紹介します。
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目次
- 「失敗を恐れない力」を育む
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「失敗を恐れない力」を育む
イマドキの新入社員は、失敗を極度に恐れているという話を耳にします。親や先生からこっぴどく叱られることも経験せず、ほめられ、甘やかされてばかりで育てられてきたから、失敗すること、叱られることに免疫がなく、それらのことを極度に嫌がるし、打たれ弱いというのです。また、過保護な母親の話もよく耳にします。私たちの世代では、親が大学の入学式に来るとか、入社式に来たがるなどというのはあり得ない話でした。もうそこまで来れば大人だというコンセンサスがあったからです。また、新入社員が会社の電話に出るのを怖がるなどということも、想像もできないようなことです。
昔は、自宅に1台しか黒電話がない状況でしたから、親の会社の同僚や上司からの電話がかかってくることもあるし、かけた時にも友人の親が出ることを想定しながら話すのが当たり前のように求められていました。しかし、今は、一人1台のスマホがありますし、誰からかかってきているかはディスプレイに表示され、一目瞭然です。だから安心して電話に出られるし、非通知だったり、知らない番号からの電話だと出ないということの方が常識的になっています。それが会社に入ると、電話をかけているのが誰かもわからないし、どんな内容の話をされるのかも予想が付かないまま、電話に出なければなりません。下手に電話に出て、失敗して恥ずかしい思いをしたり、怒られたりする可能性のある電話は恐怖だというわけです。確かにその対策としては、電話に出ないのが一番です。しかし、それでは仕事になりません。「心が折れる」というような言い方もよく耳にするようになりました。「巨人の星」や「あしたのジョー」などの根性物のマンガなどとも縁がなく、ましてや実体験もないのですから、忍耐力やチャレンジ精神や失敗を恐れないタフな心は、言葉として聞いたことはあっても、実体験とはあまり縁のないものになっているのかもしれません。たかだか電話でさえそうなのですから、実際に仕事で失敗することに対しては、大きな恐怖を抱えていると思います。この対応策は、指導者の側に大部分は委ねられることになると思います。つまり、指導者自身が、失敗を恐れない心を持っているかどうかが大切なことであり、自分が指導すべき存在が失敗をした時に経験する恥ずかしい思いを、我がこととして、自分も堂々と受け入れられる度量があるか否かが問われているのです。例えば、バッカーズ寺子屋では、スピーチコンテスト本番でも、失敗をすることをネガティブに捉えてはいません。もちろん、スピーチコンテストでは保護者の方や経営者の方もたくさん来て下さいますから、上手くできた方が良いかもしれません。私もこの寺子屋をスタートした頃にはそう思っていました。しかし、そうではないのです。失敗こそが最も大きな学びであり、それを子どもたちと共有することが大切なのです。塾生と共に、恥ずかしく悔しい思いをするのです。しかし、必ず、次のスピーチでは自分の言葉で本音のスピーチができるようになろう、心からの思いを伝えるスピーチをしようと塾生たちを励まし、彼らの成長を心から信じることが大切なのです。そつなくこなせば一見成功したように見えます。しかし、それは価値のない成功に過ぎません。そつなくこなすことよりも、価値のある失敗の方が大切なのです。塾生たちの言葉からは、失敗に対する考え方が変化していっていることを読み取ることができます。こうした心の成長こそが、教育にとって大切なことだと私は思います。
学び方が変わると人生が変わる
この国の未来は、学び方の変革にかかっている! 1年間たった30日のプログラムで子どもたちが大きく成長する、バッカーズ寺子屋の教育。その教育の本質は「学び方を変える」「志を立てる」という、たったふたつのことだった──。わずか1年間でたくましく成長し、様々な世界へと道を切り拓いていった卒塾生たちの成長記録から、教育の本質を探る。10歳から15歳の子どもたち600人の人生に大きな影響を与えた「学び方改革」の実践記録。