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便秘の種類は様々!タイプ別便秘の対処方法【国際中医薬膳師執筆】

女性に多い便秘…お肌の調子も悪くなるし、なってしまったらすぐにでも改善したいですよね。しかし、一言に「便秘」と言っても原因は実は様々。体質によって対策を分ける必要があります。
それぞれのタイプに効く便秘解消食材を一挙まとめてご紹介します!

池田陽子(薬膳料理研究家)

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目次

     
    うーっ。なかなか出ない……。トイレで謎の「出産状態」になっているおやじのみなさま便秘は比較的、薬膳で改善しやすいジャンルです。
    ただし、体質を見極めて食材を選ぶことが大切なポイント。これを間違えると、まったく効果がないばかりか、逆に「激づまり」という恐ろしい事態を引き起こします。
    たとえば、よく「便秘にはバナナ」と言われますが、万人に効果的なわけではありません。バナナは食物繊維が豊富で、中医学の見地からも「腸に潤い」を与える効果があるため、便秘にはよい食材ではあるのです。
    ただし、南国のフルーツ・バナナは身体を冷やす食材。腸の冷えが原因で便秘になっている人にとっては、腸に冷房スイッチを入れて、症状を悪化させるというたんなる自虐行為!“ドM極み便秘”というバカバカしい行為は一刻も早くやめましょう。
    便秘にはいくつかタイプがあります。体質を見極めて、マイ便通食材入りのメニューを選びましょう。
    • 冷えづまりタイプ

      □ 冷えるとお腹が痛む

      □ トイレが近い

      □ 冷えがある

      □ 尿の色が薄くて、透明で量が多い

      このタイプは身体の冷えで腸の動きが悪くなっていることが原因。冷えるとおなかが痛くなるといった不調もみられます。とにかく“腸内着火”でスルリ、をはかるべし。
      おすすめは、カボチャ。「気」を補って体力をつけるとともに、身体の末端の血流に作用して全身、とくにお腹を温めてお通じを改善。“食べる腸内カイロ”として役立ちます。ランチ外食派は、カボチャの煮物、コンビニ派はカボチャのサラダをどうぞ。
      また、すかさず腸の暖房化をはかるのにお役立ちなのがシナモン。喫茶店でシナモンティーをどうぞ。身体を冷やす食材や飲み物は厳禁。身体を冷やす生野菜や、バナナをはじめとする南国系フルーツ、冷たい飲み物のガブ飲みといった“ひとりふんづまりテロ”は慎んで。
    • 熱づまりタイプ

      □ 便が硬く乾燥している

      □ 身体がほてる、のぼせやすい

      □ 顔や目が赤い

      □ 尿の色が黄色く、量が少ない

      □ 冷たい飲み物が好き

      身体に熱がこもり、便が乾いて硬くなることが出ない原因。肉、辛い物、お酒が大好き、オイリー系メニュー愛に満ちあふれ、野菜は嫌いという人が多いんです。
      よって、あなたは体内の熱を冷ませばスルッと出るわけで、バナナでOK。身体の熱を冷まして、腸を潤すとともに、気を下半身に下ろす作用があるので、熱づまりタイプにはまさに、推奨フルーツ。ランチのあとは、コンビニでバナナ、食べられなければバナナ入りのスムージーを。
      そのほか、豆腐、牛乳、ヨーグルト、パイナップルもおすすめ。朝起きたら牛乳、ランチに冷ややっこ、デザートにフルーツ入りヨーグルトで、体内コールド系快便を。
      そして身体に熱を持たせる辛い物、牛肉、しょうがなどは腸に熱風ドライヤーを吹き散らかすようなもの! ランチに激辛カレー、牛丼に、紅しょうがたっぷり、などというありえない自虐行為は控えること。
    • 気不足づまりタイプ

      □ 排便後に汗が出る

      □ 排便後に脱力感がある

      □ 疲れやすい

      □ 風邪をひきやすい

      □ 便が硬くない

      老廃物を出すには、気の力が必要。不足すると、排便するための力がなくて、「いきめない」から出てこないんです。
      キバリたおして成果のないまま、トイレで力尽きた“トイレ引きこもり”お父さんに、おすすめなのはジャガイモ。「脾」の働きを高め、しっかりと気を補って、いきみ力をアップ! ランチには肉じゃが、居酒屋ではポテトサラダをチョイス。しいたけもスッキリ快便に貢献。焼き鳥屋では、しいたけ串がっつりで「あとひとふんばり」を蓄えて。
      玄米も“いきめる男”を実現します。ランチは、女子社員に「おじさんも、マクロビとやらが食べてみたい」と言えば、玄米定食のある自然食系レストランに連れてってくれますから。無視されたらデスクで玄米茶をすすりましょう……。
    • 気巡り不良タイプ

      □ お腹が張る

      □ げっぷがよく出る

      □ 便意があるのに出ない

      □ ガスがたまりやすい

      □ 出張や旅行先で便秘になりやすい

      便を出すために必要な気が滞っていることで出ないタイプで、いわゆる「ストレス便秘」です。
      ストレスがたまるとてきめんに出なくなり、出張先で、パタリと出ない状態に苦しむ人も。また、「便意はあるのに出てくれない」という、“チラ便意”に悶々とする傾向もあります。
      おすすめは、かんきつ類。みかん、ゆず、オレンジ、グレープフルーツなどはさわやかな香りが気を巡らせて、スムーズ排便に役立ちます。“体内芳香剤”テクで、早々のトイレ脱出を。
      デスクに、みかんジュースゆずジュースを常備。コンビニのカットフルーツや、みかんの缶詰も役立ちます。そして、もちろん居酒屋ではグレープフルーツサワーで快便乾杯をお忘れなく。
      ジャスミンティーも、お助けバキュームドリンク。スコンと出しましょう。もちろん居酒屋ではジャスミン割りもどうぞ。
      また、どのタイプの便秘にも共通してよいのが黒ごまはちみつ。どちらも、その効能は「潤腸通便(じゅんちょうつうべん)」。読んで字のごとく、腸に潤いを与えて、すべりをよくすることでスルッと出してくれるという、“バキューム食材”!
      それぞれのタイプのおすすめメニューに、黒ごまをふりかけたり、飲みものにはちみつを混ぜたりと、ちょい足しして、スッキリ度向上をはかりましょう。
不調に効く食べ方

不調に効く食べ方 外食だけでスッキリ改善!

池田陽子

イースト・プレス

第2章 不調に効く! 困ったときの"症状別"外食メニューより

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