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自社の状況を分析する「8S分析」とは
会社のブランディングに失敗しないためには、まず、自社の状況を知ることが大事です。自社の状況を知るための分析方法として「8S分析」というメソッドがあります。ここでは、「8S分析」の要素をご紹介します。
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目次
- 自社の状況を知る「8S分析( 8 strategy)」
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自社の状況を知る「8S分析( 8 strategy)」
私がコンサルタントとして企業や自治体の経営に携わらせていただく時に用いるメソッドとして「8S分析」があります。これは経営戦略を8つの戦略(strategy)に分けて考える、独自のメソッドです。8つの要素とは商品戦略、価格戦略、エリア戦略、営業戦略、顧客戦略、サービス戦略、広告戦略、IT戦略です。この8つの戦略要素がストーリーとして矛盾なく噛み合っている時に、企業は成長します。逆に言えば、赤字企業や売り上げが何年も落ちている企業についても、その要因をパターン化して分析できるということです。そのパターンは大きく分けて二つあります。赤字企業のパターンのまず第一は、8つの戦略要素のどこかに抜けがあるパターンです。前述の通り日本人はモノづくりが得意なので、商品戦略と価格戦略はバッチリ立てることができます。その一方で、IT戦略や広報戦略、サービス戦略に抜けがあるため、市場の動向とうまく噛み合わないといったことが起こります。そして第二には、8つの戦略要素が矛盾しているというパターンがあります。例えば、中小のモノづくり企業においては、一つひとつの製品にこだわり、大手企業が作る量販商品よりもワンランク上の高品質製品を少量作るというパターンがあります。それに伴い、価格も大手のように安売りはできなくなり、高値になってしまうのはよくあることです。しかし、エリア戦略を見てみると、地場に密着して展開していたりします。ですが、地方で「高くて良いもの」を買う人がどれだけいるのでしょうか。多くの企業は売上高前年対比という指標を重視しています。「高くていいものを買える人が年々減り続ける地域」で「高くていいものを地元で売る戦略」を採用しているなら、売上高前年対比が100%を割るのは避けられないでしょう。このような矛盾を起こしていて、赤字の原因になっているのです。つまり商品戦略・価格戦略と、エリア戦略・顧客戦略が矛盾を起こしているのです。例として挙げましたが、モノづくりへのこだわりや、地場での展開を否定するものでは決してありません。日本のモノづくりにかける美意識はとても素晴らしく、これからもずっと残ってほしい文化です。しかし、だからこそ、営業戦略なき商品戦略の向上は、企業を下請け化させてしまうという現実があることも知っていただきたいのです。そしてそのままでは、今後企業を継続していくことも危うくなるという時代が、もうすぐ目の前まできています。
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