目次
- ○人に優しくできない自分があらわれたときの対処法
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人に優しくできない自分があらわれたときの対処法
僕は今でも、人に対して激しい怒りを覚えたり、冷たい考えが浮かんでくることがあります。しかし、今はそんな自分さえも愛おしく感じることができるようになってきました。そう思えるようになったきっかけのひとつは、自分のなかに先祖から引き継いだ、「今は必要のない本能の記憶」があると知ったから。馬は生まれてすぐ立ち上がり、母親のお乳を吸おうとします。鳥や魚、動物が自分自身や我が子を敵から守り、子育てする方法やそれに適した場所探しは、誰が教えたわけでもないのに、みな知っています。これは、先祖から子孫へと、本能のなかに組み込まれてきた記憶です。人間も同じように、命にかかわる重大なことに対する動物時代から引き継がれた本能の記憶を持っています。たとえば、そのなかには、相手を倒さなければ生き残れなかった時代の本能の記憶もあります。当時は、それがなければ自分や家族を守れない大切なものでした。そして、この本能の記憶は、今でも僕たちのなかに受け継がれています。もちろん、だからといって「他人を傷つけていい」というわけではありません。ただ、それは自分だけが抱えている問題ではないし、自分のなかにある攻撃的な感情を責める必要はないということです。自分のなかに攻撃的な気持ちがあらわれたときは、「この気持ちは、自分のものではなく、今は不必要になった過去の本能の記憶なのではないか?」と考えてみる。人間も生き物であるかぎり、いつでも優しく完璧でいられるわけではありません。先祖から引き継いだこれからも必要な本能の記憶は生かしながら、時代の変化とともに必要なくなった戦いの記憶は自分の世代で塗り替え、人と人とが大切にしあえる記憶を後世につなげていくことを大切にしていきたいな。
<小さなコツ>優しくなるのではなく、優しくあろうとする。
自分を変えるほんの小さなコツ
第5章人間関係で悩まなくなるコツより
小さいころから刷り込まれてきた、「努力すれば、がんばれば、幸せになれる」という思い込みを、いったん疑ってみてください。 じつは、自分をすり減らさなくても、幸せを手に入れることはできるのです。 本書には “むくわれる努力"を“ほどよく"行うコツが書かれていています。それらのコツを知ることで、あなたを幸せに導く「新たな道」が見えてくるはずです。