目次
- ○音を感じながら食べると満足感が得やすくなる
- ○いい音を奏でる食べ物をとろう!
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音を感じながら食べると満足感が得やすくなる
咀嚼回数が減ると、満腹感を得にくいことはお伝えしましたが、食事の満足感を得るためには、音も重要であることがわかってきました。アメリカの研究で、人が大声で話していたり、音楽が流れている環境と静かな環境で食べたプレッツェルの量は大きな音を聞いていたほうが1・5倍も多くなりました。にんじんやサイダーなど他の食品でも調べた結果、サクサク、バリバリと音がする食品ほど大きな違いがあったそうです。つまり、静かな環境で自分の食べている音を感じながら味わうと満足感が出やすいということです。ですから、夜中にDVDを見ながらポリポリとスナック菓子を食べるのは、咀嚼回数を意識しにくく食べすぎてしまうのでしょう。食事はおいしさを感じると満足感を得やすくなるので、「おいしい」と感じることがやせやすい食事のとり方への一歩ともいえます。おいしさとは、塩味、甘味、苦み、酸味、うま味といった味だけでなく、見ため、音、香り、温度、のど越しや噛みごたえなどの食感など、五感をフルに使って感じる複合的なものです。さらに、その場の雰囲気、そのときの感情や気分、健康状態なども加わるため、同じ食べ物でもいつもおいしさを感じるわけではありません。太っている人は、この満足感や空腹感を感じにくくなっているといいます。ですから、まずは食事に向き合える環境にすること、彩りなどの見ためを整え、歯ごたえの異なるものを組み合わせたり、味にもメリハリをつけて、よく噛んで食べるようにすると、味もよくわかるようになり、おいしさを感じやすくなるでしょう。ジュニアアスリートは好き嫌いがあることも多く、身体への効果を説明して、バランスのよい食事を提供してもなかなか食べてはもらえませんが、調理をする場がみえて、音やにおいを感じる環境で食事をしてもらうと、「このにおいは◯◯のおかずかな?」「お肉を焼くおいしそうな音がする」といって、食事に関心を持ち始めます。盛り付けや野菜の切り方などの見ためを変えることでも食事量が異なります。また、みんなでわいわい話をしながら時間をかけて食べることもよいようです。10年以上前にこうした食育を受けた選手たちが大人になり、「あのときのあれがおいしかった」というのも、味だけでなく、環境がいかに大切なのかということを感じさせます。
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Recovery Meal recipes
いい音を奏でる食べ物をとろう!セロリの浅漬けセロリは低エネルギーで食物繊維が多く、シャキシャキとした歯ごたえがあり、よく噛むことのできる食品の1つです。いかの燻製を合わせることでより噛みごたえがあります。セロリは香りが強いため、苦手な人も多いのですが、セロリ独特の香りは精神を落ち着かせる働きがあるといわれ、リラックス効果が期待できます。【材料…2人分】
・セロリ(茎の部分のみ)…1本
・オリーブ油…………………大さじ1/2
・粗びきこしょう……………少々
・いかの燻製…………………20g
・砂糖…………………………ひとつまみ
・酢……………………………大さじ1
・しょうゆ……………………小さじ1/3
【つくり方】
❶ セロリは筋をとり、斜め薄切りにする
❷ いかの燻製は食べやすい長さに切る
❸ チャック付きポリ袋(ジップロックなど)にセロリ、いかの燻製、調味料を入れて軽くもみ、冷蔵庫で1~ 2 時間ねかせたら仕上げに粗びきこしょうをふる
❹ 塩気が足りないようなら、塩かしょうゆで味をととのえる
※いかの燻製の代わりに、するめ、塩昆布でもつくれます。
疲れやすい人の食事いつも元気な人の食事
第4章 やせにくい人の食べ方 太りにくい人の食べ方より
ところどころに、著者が栄養サポートをする世界で活躍するトップアスリートたちも食べていたレシピも掲載しています。簡単につくれるものばかりなので、ぜひお試しください。