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婚約・結納の進め方とマナー

婚約してはじめてお互いへの責任が生まれます。その婚約の形としてもっとも正式なものが結納です。様々な形式がある結納の常識を一挙ご紹介します!

冠婚葬祭研究会

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目次

  1. 結納の日の服装
  2. 結納の進め方
  3. 結納に必要なもの
  4. 結納に必要な書類
  5. 結納時の席次と進行
  6. 結納金と結納返し
  7. 祝い膳
  8. 結納の日の服装
     
    • 婚約と結納

      ■互いへの責任が生まれる婚約
      結婚の意思をかためた2人が、そのことを周囲の人に知らせるのが「婚約」です。2人の間の話が公然のことになって初めて、婚約したことになります。
      婚約によって、互いの間には法律的な意味もふくめて責任感が生まれます。万が一トラブルになった場合も、口約束だけでは責任の所在を求めにくいものです。
      見合い結婚にかぎらず、正式な婚約は必要なものでしょう。

      ■「結納」は婚約のもっとも正式な形
      婚約したことを周囲に明らかにするには、結納、婚約式、婚約披露パーティー、婚約通知など、いくつかの方法があります。この中で、もっとも正式で伝統にのっとった形が「結納」ということになります。
      結納は、「結納金」としての現金や結納品を取り交わす、あるいは贈ることによって、婚約が成立したものとみなす日本伝統のやり方です。このとき、互いの親や仲人が立ち会うことによって、婚約の証人になります。
      結納の形式は、地方によって習慣が違いますし、人によっても考え方はさまざま。前もってよく話し合うようにしますが、両家の考えにへだたりがある場合は、仲人が間をとりもって進めます。

      ■仲人を決定する
      見合いの場合なら、世話人にひきつづき頼むのか、あるいは別の人にあらためて依頼するのかを相談します。
      恋愛結婚の場合は、仲人を立てずに本人と両家だけで進めることもありますが、頼まれ仲人を依頼する場合もあります。
      このときも、婚約の仲人としてなのか、結婚式の媒酌人まで依頼するのか、婚約のスタイルはどの形をとるのかなど、きちんと決めてから依頼しましょう。
      結納のスタイル
      結納にはいくつかの形式がありますが、大きく分けると次のようになります。
      ◎仲人による両家往復型
      もっとも正式なもので、仲人が両家を往復します。仲人は男性側から結納品を受け取り、女性側へ届けます。次に、女性側から受書や結納返しを受け取り、男性側へ届けます。最後に、男性側の受書を女性側へ届けます。
      場所は、両家の自宅ということになります。
      ◎仲人が使者になる簡略型
      仲人は男性側から女性側へ結納品を届けて納めます。仲人の移動は片道のみで、結納の場所は女性宅になります。
      日をあらためて、女性側から男性側への御袴料を納める場合もあります。
      ◎両家集合型
      決めた場所に、本人たちとそれぞれの親、仲人が一堂に会して行います。場所は女性宅か仲人宅、またはホテルや料亭になります。現在、もっともポピュラーなスタイルです。
    • 結納の進め方

      ■結納の日取り
      結婚式の3~6ヵ月前に行うのが一般的です。基本的には、六曜でいう吉日(大安、友引)の午前中がよいのですが、本人および両家の都合がつくところで調整できればいいでしょう。一般的には、午前10時頃に始めて、昼食(祝い膳)をはさんで、午後3時頃までに終える場合が多いようです。

      ■結納の場所
      結納の場所は、結納の形式を決めてから相談することになります。
      仲人が両家を往復するなら、場所は双方の自宅ですし、男性側から女性側へ納めるなら女性宅。双方の実家が離れているなら一堂に会することができるホテル…と、おのずと場所が決まってきます。
      女性宅や仲人宅など、個人宅で行うことになった場合には、結納後の祝い膳をどのようにするかも決めておきます。
      一同が集まる場所をホテルやレストラン、料亭や結婚式場などにする場合は、予約時に結納のためと伝えておき、個室を依頼しておきます。掛け軸や花、桜湯など、結納にふさわしい用意をしてもらえます。
      ホテルや式場によっては、結納品や室料、飲食代がセットされた結納パックプランを用意していることもあります。

      ■結納の種類
      結納には、大きく分けて関東型と関西型があります。関東型は「結納を交わす」もので、双方で結納を交換します。
      一方、関西型は「結納を納める」ということで、男性側だけが結納を贈ります。結納品に関しても、地方によってしきたりや品物、そろえる書類の書式などもちがいます。
      結納専門店か、百貨店のブライダルコーナーで相談するとよいでしょう。
      全般的に、関東よりも中部、関西以西が内容が豪華になる傾向があります。

      ■両家どちらの言い分をとるか?
      地方の慣習や、それぞれの両親の結納に対する考え方はさまざまです。格式にこだわる人もいれば、合理的に行う方を好む人もいます。時には、ゆずれないこだわりを持っている人もいます。これをきっかけとして、感情的なしこりを残さないように、2人が中心となって話し合い、両家の考え方を調整するようにしましょう。
      ただ、どちらかといえば、結納は女性側へ贈るという考えに立てば、女性側の考え方を優先して、男性側が譲ることができればベターでしょう。
      ー六曜とは?ー
      日柄のよしあしは、中国の陰陽五行説による、六輝(六曜)によるものです。慶弔に最も向くのは、〝大安〟。それと〝友引〟が吉日なので、おめでたい行事は吉日に行うのが一般的です。あまりこだわる必要はありませんが、気にする人がいる場合は凶日は避けるようにします。
      【大安】一日中、吉。何をしてもいい日。祝い事に最適。
      【友引】午前と午後、吉。正午は凶だが、祝い事には好適。
      【先勝】先んずれば勝つで、午前吉。午後凶。祝い事は午前から始めればいい。
      【先負】先んずれば負けで、午前凶。午後吉。祝い事は正午以降に始めればいい。
      【赤口】正午のみ吉。午前と午後凶。祝い事は正午をはさんで行うといい。
      【仏滅】一日中、凶。何をしても悪い日。祝い事には不適。
    • 結納に必要なもの

      ■結納品の種類
      結納品は、2人の将来の幸せと子孫繁栄を願うもの。正式には9品目ですが、7品、5品、3品の略式タイプにする場合、品目を増やして豪華にする場合とそれぞれです。
      関東式では、ひとつの結納台にすべてをのせますので、包みはどれも細長いものになり、水引も平面的です。
      関西式は、ひとつの結納台に1品ずつのせますので、水引飾りも立体的ではなやかなものになります。
      また、東海地方では7品目を基本として、呉服細工の宝船や鯛をそえるなど、豪華な内容になります。
      いずれも、結納品をあつかう専門店やデパートのブライダルコーナーなどで、地方のしきたりや自分の希望に合わせて相談できます。
      また、男性からの結納に対して、女性側から贈るのが結納返し。これは、関東では半額程度を、関西では1割程度を返す慣習になっています。

      ■結納の日の支度
      自宅で結納を行う場合には、しきたりとなっている準備があります。
      和室の場合には、床の間に高砂や鶴亀などのおめでたい図柄の掛け軸をかけます。床の間には結納品を飾りますので、緋もうせんを敷きます。洋室など、床の間がない場合には上座にあたる位置に結納品を飾るためのテーブルや台を用意して、緋もうせんをかけておきます。しきたりとして、出すのは桜湯か、昆布茶となっています。茶菓子は、鶴亀や松竹梅などの干菓子を用意して、縁紅紙にのせて出します。
      結納品は、挙式まで飾っておきますが、期間が長くある場合は2週間ほどしたらいったん片付けて、招待状を出す頃にまた飾るようにします。
      結納品の飾り方

      ◎関東式 結納品すべてをひとつの台に並べる。
      ◎関西式 ひとつずつ、白木の飾り台に飾るので、スペースが必要になる。

      目録(もくろく)
      結納品の品名と数量を書いたもの。


      金包(きんぽう)
      結納金。


      長熨斗(ながのし)
      本来は、干しあわびを長く伸ばしたもの。


      広(廣)/寿恵廣(すえひろ)
      無地の白い扇。


      友志良賀(ともしらが)
      麻ひものこと。切れにくいことから、夫婦の強い絆を願う。


      寿留女(するめ)
      かめばかむほど味が出ることから、「末永く」の意。


      子生婦(こんぶ)
      一つの株から多くの枝を伸ばす昆布にあやかって、子孫繁栄を意味する。


      松魚節/勝男武士(かつおぶし)
      男性の力強さと永久不変を意味する。


      家内喜多留/柳樽(やなぎだる)
      喜びの日に欠かせない酒を入れた柳の樽のこと。

    • 結納に必要な書類

      ■目録と受書
      結納品を受け渡すときに必要になるのが、目録と受書。目録は、当日贈る結納品の品目と数を列記したもので、結納品に添えて渡します。
      受書は目録どおりの品を受け取ったということを伝えるもの(両家が一堂に会して行う結納の場合、受書を省略することもあります)。
      目録、受書ともに、結納品一式にセットされているものがあります。品目などはすでに印刷されていて、名前や日付などの一部分を記入すればいいようになっています。
      記入は自分でするか、購入した店で筆耕を依頼します。記入する際は、印刷部分との違いが目立たないように、濃い墨色で、楷書で書きます。
      目録と受書の筆耕を依頼した場合、筆耕料は1万~2万程度というのが相場のようです。

      ■書式はしきたりに従って
      目録と受書の書式は、地方によってさまざま。ほとんどの場合、金包(金宝包)の欄が空欄になっていますが、その呼び方や記入の仕方も地方によって違います。
      主なものとしては、次のような違いがあります。
      ・本人名にするか、父親の名前にするか
      ・当人の名前宛にするか、「○○家様」か
      ・日付は年月日か、「吉日」にするか
      また、指輪のことを「結美和」や「優美和」などと書いたり、表記も地方によって違いがあります。
      どの地方の慣習に合わせるのかを、事前に相談しておくようにします。

      ■関西式の場合の受書
      結納返しを行う関東式とちがって、関西式では女性側から渡されるのは受書のみです。このため、関東式よりも扱いが重々しくなります。
      相手側へ渡す際は、片木盆(白木のお盆)に受書をのせ、両側に長熨斗と末広をそろえて並べます。


      ■家族書・親族書とは?
      結納と同時に交わす書類としては、次のようなものがあります。ひとつは、同じ戸籍内の家族(別居している未婚の兄弟姉妹も含む)のことを書く「家族書」で、さらに、祖父母、既婚の兄弟とその家族、おじおばなどの3親等まで記す「親族書」です。
      かつては、その結婚へ親族が賛同しているということを示す意味合いがありましたが、現在では今後のお付き合いに向けての自己紹介書となっています。見合いの段階で、すでに交わしている場合は必要ありません。

      ■記入にあたっての打ち合わせ
      家族書、親族書を交わすことになったら、記入する範囲や書き方を統一するように相談します。
      正式には、奉書紙に毛筆で書きますが、結納専門店で市販されている用紙を使って記入するか、白い便箋にペン書きする方法もあります。さらに、さまざまな点について、地方のしきたりが異なりますので、打ち合わせが必要になります。
      ポイントとしては、
      ・勤務先や学歴をどこまで書くのか
      ・親族の範囲をどこまで記入するか
      ・同居の祖父母は家族書、親族書のどちらに記入するか
      ・筆耕を依頼するかどうか
      家族書と親族書を分けずに、1枚の紙にまとめるかたちで、「家族・親族書」としてもかまいません。

      ■健康診断書を添える場合
      婚約にともなう検査であることを告げて依頼すると、病院の側で内容を教えてくれます。
      主なものとしては、血液検査、血圧測定、胸部X線写真、HIV抗体(エイズ検査)、女性の場合は風疹抗体と卵巣・子宮の検査も行うのが一般的です。
      奉書紙に毛筆で書く場合

      1.奉書紙に折り目をつけて2つ折りにし、折り目を下にする。

      2.ペン書きの場合と同様に、右から順に書く。

      3.左から3つにたたみ、金銀の水引で綴じる。

      4.上包みで包んで、表書きをする。(さらに、上包みに水引をかける場合もある)
    • 結納時の席次と進行

      ■結納時の席次
      席次については、正式、略式がありますが、基本となる点は変わりません。
      一般的な並び方としては、上座から順に当人、父親、母親の順に座ります。
      両家が一堂に会して行う集合型の場合は、床の間(洋室なら、マントルピースや飾り台のある方)に向かって右側が男性側、左側が女性側となります。上座から、本人同士、父親同士、母親同士が向かい合って並びます。
      男性が婿養子に入る場合には、男性側と女性側の左右が逆になります。
      また、それぞれの自宅で結納品の受け渡しをする場合には、床の間に向かって上座から本人、父親、母親が並び、仲人は床の間を背に座ります。

      ■仲人夫妻の座る位置
      一同が集合して行う結納の場合、しきたりとしては、仲人夫妻は床の間に対面して右に仲人、左に仲人夫人となっていました。
      しかし、仲人は目上の方にお願いしていることが一般的ですし、結納品を運んでいただくという役割を考えても、結納品を並べてある上座のほうが、動きやすいということになり、最近では上座に座っていただく場合も多いようです。
      地方によっては、本人が下座に座る場合、仲人が床の間に対面して座る場合もあるので、確認するようにします。また、仲人宅で行う場合にも、仲人夫妻は下座に座ります。

      ■結納時の言葉遣い
      結納に際しては、受け渡しにあたっての言葉遣いや言い回しが古くからのしきたりで決まっています。もちろん、両家合意のもとでなら、ある程度の省略化も可能ですが、基本となることは知っておくと安心です。
      現在、一般的となっている両家が一堂に会して行う場合の進行順と共に、この言葉遣いを紹介します。

      仲人を立てる場合
      ①全員が順に入室
      男性側が先に入室し、結納品を床の間(洋室なら飾り台など)に飾り、受書を床の間の手前に置き、着座。次に、女性側が入室し、同様に結納品を飾って着座する。双方がそろったら、仲人が入室し、着座する。


      ②仲人へあいさつ
      両家を代表して、男性側の父親があいさつする。


      ③仲人の口上
      仲人の口上の後で、一同深く礼をする。


      ④男性側より結納品を預かる
      男性の母親が床の間から結納品を台ごと持って運び、仲人の前に置く。軽く礼をして下がり、男性の父親と仲人が口上を述べる。


      ⑤女性側へ結納品を取り次ぐ
      仲人夫人が結納品を女性本人の前に置き、仲人と男性本人が口上を述べて礼をする。受ける女性側は軽く礼をする。


      ⑥目録の確認
      女性本人、父親、母親の順で目録に目を通す。女性本人が目録を包んで台に戻し、本人と父親が口上を述べ、女性側と仲人は深く礼をする。


      ⑦結納品を床の間へ運ぶ
      女性の母親が、受け取った結納品を床の間に運び、飾ってあった男性側への結納品を下ろして、贈られた結納品を飾る。


      ⑧受書と結納品を仲人に渡す
      女性の母親が、受書、贈る結納品の順で仲人の前に運び、女性の父親が口上を述べる。最後に、女性側と仲人夫妻が深く礼をする。


      ⑨受書と結納品を取り次ぐ
      仲人夫人が男性本人の前に運び、仲人は口上を述べる。男性本人が受書と目録に目を通し、お礼を述べる。目録は、父親、母親にもまわす。


      ⑩仲人へ受書を渡す
      男性の母親が結納品を床の間に飾り、受書を仲人の前へ運ぶ。男性の父親と仲人が口上を述べ、男性側と仲人が深く礼をする。


      ⑪女性側へ受書の取り次ぎ
      仲人が受書を女性側へ渡して、口上を述べ添える。女性本人が礼を述べ、女性側と仲人が深く礼をする。


      ⑫しめくくりの言葉
      仲人のあいさつ後、全員が深く礼。男性の父親、本人2人が順にお礼のあいさつをして、もう一度深く礼をして終了。仲人、仲人夫人、男性側、女性側の順で退室。

      仲人を立てない場合
      ①全員入室し、着座
      男性側、女性側の順に入室し、結納品を飾って席の脇に立ちます。最初に本人同士、次いで両親があいさつして、着座します。
      「お世話になります。どうぞ、よろしくお願い申し上げます」

      ②男性の父親があいさつ
      あいさつ後に、一同は深く礼をします。


      ③結納品の取り次ぎ
      男性の母親が床の間から結納品を台ごと、(関西式では、目録の台のみ)女性本人の前へ運び、軽く礼をして席へもどります。男性の父親が口上を述べ、女性側はこれを受けて、軽く礼をします。


      ④目録の確認
      女性本人、父親、母親の順に、目録に目を通します。女性本人が目録を元の台にもどし、口上を述べます。


      ⑤男性側へ受書と結納品を渡す
      女性の母親が、床の間に結納品を運び、次に男性側へ渡す受書と結納品を男性本人の前へ運ぶ。女性の父親が口上を述べ、一同深く礼をする。


      ⑥目録の確認
      受書と目録に、男性本人、父親、母親の順に目を通す。口上を述べます。


      ⑦受書を渡す
      男性の母親が、贈られた結納品を床の間に運び、その下に用意していた受書を女性本人の前へ運ぶ。男性の父親と女性本人が口上を述べ、一同深く礼。


      ⑧しめくくりのあいさつ
      一同が起立し、男性の父親、女性の父親の順であいさつし、一同深く礼。

      *地方によって、父親がいちばん上座に座る場合には、結納品や受書は本人ではなく、父親の前へ運び、口上も父親が述べます。
      *関西式の場合には、結納品はすべてが白木の台にのっていて運べないので、通常は目録のみをやりとりします。また、女性側からの結納品がない場合も多くあります。
    • 結納金と結納返し

      ■結納金は、給与の3ヵ月が目安
      結納に際して、男性側が女性側に現金を贈るのは古くからある習慣のひとつでした。結納時の名称は「御帯料」「御帯地料」「小袖料」など、地方によってもさまざま。
      金額の目安は男性の給与の2~3ヵ月分といわれますが、最近は100万円というのが相場のようです。
      ただし、これはあくまでも平均的な金額。地方によって、あるいは個人の経済力によって、ふさわしい金額とするのがよいでしょう。
      また、結納金だけでなく、婚約指輪などの記念品を贈るケースも多くなっています。
      婚約指輪は、女性の誕生石をあしらったものか、冠婚葬祭の場でも使えるようにダイヤモンドを選ぶのが一般的です。この場合、関東式では結納の目録の「御帯料」の下に「結美和」と書き、関西式では目録の最後に1行使って書き添えます。

      ■結納返しは現金か、品物で贈る
      この結納金に対して、女性が贈るのが結納返し。関東では半額を返す「半返し」、関西では一割を包んで返すのが慣習化しています。
      もっとも、最近の傾向としては、「御袴料」として10万円前後を包むケースも多くなっています。
      結納金の金額や結納返しの有無など、地方によってさまざまなしきたりがありますので、事前に打ち合わせるようにしましょう。
      なお、結納返しをしないケースも増えています。もし結納返しをするなら、その分を上乗せした額を男性側から渡すことになります。

      ■婚約記念の贈り物
      結納返しとしてお金を包むのではなく、婚約記念の品物を贈る人も増えています。ポピュラーなのは、腕時計やバッグ、カフスボタンなど。あるいは、カメラや楽器などの長く使える趣味のものを選ぶ人も多いようです。婚約指輪と同じブランドのカフスボタンを選んだり、2人でペアの腕時計を贈り合うなど、思い出に残る品物を選ぶとよいでしょう。

      誕生石
      1月 ガーネット(貞操・誠実)
      2月 アメジスト(真心・純真)
      3月 アクアマリン(英知・聡明)
      4月 ダイヤモンド(永遠・純潔)
      5月 エメラルド(愛・幸福)
      6月 真珠(健康・富・長寿)
      7月 ルビー(情熱・自由)
      8月 サードニックス(和合・幸福)
      9月 サファイア(真実・正直)
      10月 オパール(希望・幸福)
      11月 トパーズ(忠実・友愛)
      12月 トルコ石(成功・不屈)
    • 祝い膳

      ■結納後に、両家で囲む祝いの席
      結納当日、両家で祝いの席をもうけ、無事に結納がすみ、婚約が整ったことを祝います。仲人を立てている場合には、仲人の労をねぎらう意味もあります。
      また、両家が一堂に会して、ゆっくりと話をする機会はあまり多くないものです。お互いの親交を深めつつ、結婚式や披露宴、これからの2人の新生活に向けて、両家からの意見や希望などを話し合い、打ち合わせをするのによい機会となるでしょう。

      ■祝い膳を囲む場所
      現在は両家が一堂に会する結納が一般的ですので、会場になった女性宅でそのまま行う場合もあります。このときは、仕出し料理を頼んだり、寿司の出前を利用することが多いようです。注意すべき点としては、2つに割って使う割り箸は「割れる」につながり、縁起が悪いので、さけるということ。使うのは、慶事用の先の丸い箸で、寿の袋に入っているものです。
      また、結納後に料亭やレストランへ移動して会食する場合には、あらかじめ結納の祝い膳であることを伝えておくようにします。メニューについても店側の心配りをしてもらえるでしょう。なお、祝い膳は和食とはかぎりませんので、両家で場所やメニューについては相談して決めるとよいでしょう。

      ■祝い膳を省略する場合
      仲人を立てている場合は、ねぎらいの意味もこめられていますので、省略するならそれなりの準備が必要になります。熨斗袋にお金を包み、表書きは「酒肴料」とし、両家の連名で渡します。
      包む金額としては、飲食代にあたるものですから、仲人夫妻で3万円ほどが目安になります。
      また、食事の時間が近い場合には、折詰めなども用意するとよいでしょう。仲人へのお礼とは別に、この酒肴料とお車代は当日、渡すようにします。

      ■会食の支払い
      結納の会場の準備にかかったお金は、女性側が負担するのが一般的です。祝い膳を囲む場所が女性宅なら、女性側で用意します。これに対して、男性側は仲人のお車代や手土産を用意するなどして、負担が均等になるように注意します。
      ただし、場所を移しての会食になるなら、費用は両家折半とすることが多いようです。あるいは、出席者の人数相応分ずつを支払い、仲人の飲食代を折半するなど、双方が納得いくかたちで進めるようにしましょう。平均すると、会食のみの場合で1人1~2万円と考えればよいでしょう。

    • 結納の日の服装

      ■両家の格式をそろえた正装に
      正式な婚約にあたっての儀式ですから、正装を心がけます。ただし、片方が正装で、片方が略装ということのないよう、事前に打ち合わせをきちんとするよう心がけます。

      ■女性の服装
      和服なら、もっとも格式が高く、正式なのは五つ紋の振袖ですが、大げさになりすぎると思われる場合には、訪問着や付け下げでもかまいません。もっとも、振袖を着られるのは独身の間だけ。最後に、記念として着ておくのもよいでしょう。洋服なら、はなやかな雰囲気のワンピースやスーツでかまいませんが、昼間ならアフタヌーンドレスが、もっともフォーマルな装いとなります。この場合、光らない素材で、あまり肌の露出が多くないものが基本です。靴は布製、または革のパンプスにし、バッグは布製の小ぶりでシンプルなものを手に持ちます。アクセサリーはパールなどのシックなものにしたほうがよいでしょう。夜ならカクテルドレスでもOK。

      ■男性の服装
      時間帯に関係なく、ブラックスーツか、紺やチャコールグレーなどのダークな色合いのフォーマルなスーツを着用すること。シャツはホワイト、ネクタイもフォーマルなデザインのものを選びます。靴やハンカチ、ポケットチーフといった小物についても、カジュアルなデザインのものは避けるようにします。

      ■仲人夫妻は両親と格をそろえて
      付き添う両親は、父親は紋付羽織袴か、ブラックスーツ。母親は色無地の紋付、あるいは一つ紋の訪問着が一般的です。洋装ならフォーマルスーツか、ワンピースでもいいでしょう。
      仲人夫妻の服装については、両家の両親と服装の格をそろえることが大切です。和装の場合、もっとも正式なのは仲人が紋付羽織袴、仲人夫人が五つ紋の色留袖。洋装ならモーニングとフォーマルスーツ姿になります。
      女性
      はなやかさと、きちんとした感じを印象付けられる装いを心がけて。

      男性
      ブラックスーツか、ダークスーツを着用。小物はベーシックにまとめる。

      父親・仲人
      紋付羽織袴か、ブラックスーツあるいはダークスーツ。

      母親・仲人夫人
      五つ紋の色留袖、一つ紋の色無地、訪問着のいずれかを着用。

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