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責任重大!仲人の役割とは

縁談の仲介を依頼されるということは、社会的な信用や交際範囲の広さを認められたということ。とてもありがたいことですが、安請け合いはタブーです。
結婚を希望するふたりを仲介する大役において大切な心構えをまとめました。頼まれた際の参考にしてみてください。

冠婚研究会

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目次

  1. ◯縁談の進め方
  2. ◯仲人の役割
  3. ◯結納から挙式までの役割
  4. ◯結婚式までの準備
  5. ◯結婚式当日
     
  1. 縁談の進め方

    ■安請け合いは禁物!
    縁談の仲介を依頼されるということは、社会的な信用や交際範囲の広さを認められたということ。とてもありがたいことですが、安請け合いはタブーです。
    縁談の仲介を引き受けるということは、その人の人生に大きく関わることを意味します。一度引き受けた以上は、良縁を紹介できるまで、責任をもって相手を探さなくてはなりません。引き受ける場合でも、「お役に立てますかどうか……」と、控えめにします。
    また、自信がない時は相手に期待をもたせることのないよう、早めに、しかしやんわりと断るようにしましょう。
    その場合、依頼者の側に問題があったりしても、「体調が思わしくないので……」などと、自分の側の都合で迷惑をかけたくないという表現を使います。

    ■依頼者の意思を確認する
    引き受けた場合、まずは当人の人柄をよく知って、どのような人との結婚を望んでいるのかを把握するようにします。
    ◎依頼者が親の場合
    親が縁談をさがしていても、本人はまだ結婚するつもりがないとか、親が知らないだけで恋愛中というケースが少なくありません。
    親とは親しくても、本人とは面識がない場合などは、注意が必要です。このような時には、書類をあずかる前に本人に会って、結婚への意思を確認するようにします。
    これは写真や書類からではなく、直接、依頼者の雰囲気や好みなどを知るのにもよいでしょう。
    ◎依頼者が本人の場合
    直接、本人から依頼されると、断りにくいもの。迷った場合でも、まずは、「少し考えさせて」と時間をあけて、1~2週間おいて検討してから、正式な返事をしましょう。

    ■自己紹介状を預かる
    見合いの仲介を進めるにあたって、必要になるのは写真と自己紹介状です。写真は、全身が写っているものと、表情がよくわかるものの2種類を預かるようにします。
    正式な見合い写真に加えて、当人の人柄や雰囲気が伝わるようなスナップ写真もあるといいでしょう。履歴書と家族書からなる自己紹介状は、できるだけ自筆にしてもらうようにします。

    ■縁談の相手をみつける
    たとえ、「おまかせします」と言われた場合でも、なんらかの希望はあるはずです。後から困ることにならないよう、「条件を伺ったほうが、私としても考えやすいので」として、希望条件をできるだけ細かくたずねるようにします。
    条件をならべてつりあう相手がいた場合は、先方に結婚の意思や予定がないかを確かめた上で、縁談の話を持ち込みます。強引にならないように、慎重に話を進めることが肝要です。
  2. 仲人の役割

    ■見合いをセッティングするポイント
    バランスのとれた良縁と判断したら、双方に相談して見合いへと段取りを進めます。日時の設定にあたっては、双方の都合を合わせつつ、あまり間をおかずにセッティングします。休日の午後、お茶を飲みながら、あるいは食事を一緒にしながらとなることが多いようです。2~3時間と考えて設定すればよいでしょう。
    引き合わせる場所は、ホテルのラウンジやレストランなど、静かに落ち着いて会話できるところを選びます。下見をして予約をしておけば間違いありません。曜日や時間帯によって店の雰囲気が変わることもありますので、その点も留意します。

    ■見合い当日の進め方
    初対面の2人を引き合わせることから始まります。先に男性側を女性側に、次に女性側を男性側にと紹介します。事前に自己紹介状で情報が伝わっている場合は、「こちらは〇〇〇〇さんです。△△会社で営業のお仕事をなさっています」などの簡単な紹介でかまいません。2人の出身地、学歴、職歴、趣味や家族構成などを頭に入れておいて、双方に話をふりながら会話が進むように気を配ります。話が弾むようなら、あまり口をはさまないようにします。2人にしてもいいぐらいに打ち解けたら、「おふたりでいかがですか…」とうながして庭の散策などへ送り出します。

    ■返事のとりまとめ
    見合いの返事は1週間以内が常識ですので、返事を待ちます。それでも返事がないようなら、直接、本人にたずねます。この時は、「いかがでしたか?」というように、やんわりとした口調で。どうしようかと迷っているようなら、「もう1回、お会いしてみてはどうでしょうか?」とすすめてみます。ただし、「こんなにいいお話はない」などと押し付けがましくしたり、強引に話を進めることのないように注意します。

    ■見合いの成否
    双方が交際を希望すれば、次に会う段取りまでは手配しますが、その先は自分たちで連絡を取り合ってもらうようにし、交際を見守る形で一歩ひきます。1ヵ月に1度ほど、話の進み具合を確認し、相談があれば話を聞きます。
    どちらか一方、あるいは双方から断りの返事がきた場合、相手の「NO」の伝え方が仲人として最も気を遣うところ。相手が不快になるような理由を率直に伝える必要はありません。「今回は力不足でお役に立てず、すみません」と自分の力量不足をわびます。ただし、今後のこともありますので、本当の理由はきちんと把握するようにします。
    見合いの席次は?
    親などの付添い人がいない場合は、上座のほうで本人同士が向かい合わせになり、世話人は下座にすわります。世話人が夫妻でいる場合、付添い人がいる場合によって、少しずつ変わってきます。上座とは、和室なら床の間、洋室ならマントルピースや飾り棚のあるほうです。窓からの光の当たり具合などをふまえて、女性の顔がきれいに見える位置を考えてあげましょう。
  3. 結納から挙式までの役割

    ■ケースバイケースの対応を
    仲人を依頼されるとしても、さまざまな場合が考えられます。その時々のケースと、お互いの人間関係によって臨機応変な対応がのぞまれますが、大きくは次のように分けられるでしょう。
    ◎縁談の世話から行ってきたケース
    自らが見合いの世話人として、2人の縁談をまとめてきた場合。すでに、2人はもちろんですが、両家ともすでに顔を合わせるなどして知己の間柄となっていることが多いでしょう。ただし、「世話人」とは、見合いの段階までの言葉。婚約がととのった時点で、「仲人」と呼ばれるようになります。
    しかしながら、世話人=仲人となるかはケースバイケース。挙式・披露宴の媒酌人を別の夫婦に依頼する場合もあります。
    ◎結納の進行からかかわるケース
    恋愛結婚のように2人の出会いにはかかわっていなくても、結婚式の媒酌人および結納時の仲人から依頼される場合があります。もっともこれは、早い時期に頼まれた場合だけのこと。結納時に両家の仲立ちをするという役割上、双方との打ち合わせは綿密にしておきたいものです。
    ◎挙式当日の媒酌人をつとめる場合
    結納にはかかわらず、挙式当日のみの役割を果たすことになります。挙式の日取りがだいたい決まる頃に依頼を受け、当日のことに関して2人や両家との打ち合わせをすることになります。見合い以外では、このケースがいちばん多いようです。

    ■結納時に注意すべき点
    婚約に対する考え方は人によってさまざまですが、結婚が2人だけのものではなく、双方の親もふくめた今後のお付き合いへとつながることを考えると、何らかのかたちで行った方がよいでしょう。
    こうしたことについて、アドバイスや意見を求められたら、仲人は適切なアドバイスをしてあげられるようにします。現状では、かなりの数のカップルが結納を行っているというデータもあります。
    また、結納の場所としては、女性宅がもっとも多く、次いでレストランや料亭、ホテル、結婚式場となっているようです。

    ■結納以外の婚約の場合
    婚約を結納のかたちではなく、婚約式や婚約披露パーティーで行うカップルも増えています。
    このような時には、仲人は婚約を証明する証人として出席することになります。2人から求められれば、証人として言葉を述べたり、署名をすることもあります。
    特に依頼がなければ、招待客のひとりとして出席します。
    服装は、会場や招待客の規模にもよりますが、あまり格式ばる必要はないでしょう。両家の両親と格をそろえることだけ、注意するようにします。
  4. 結婚式までの準備

    ■両家の仲立ち
    見合いから世話人として2人をとりもった場合、「頼まれ仲人」として結納、あるいは結婚式の媒酌人の役を担った場合、それぞれに果たす役割は変わってきます。
    ここで大切なのは、アドバイザー役に徹するということ。見合いなら、すでに両家の間で互いの様子はある程度わかっているでしょうが、実際に結納や結婚へと話が進むにつれて、意見の相違が生じるかもしれません。恋愛結婚も同じように、トラブルがおきる可能性があります。
    最初は静観しますが、アドバイスを求められたら、第三者としての冷静かつ客観的な立場から答えるようにしましょう。感情的にこじれた場合には、双方の事情を聞きながら、間をとりもつようにします。もし、婚約解消になった場合にも、その連絡役は仲人の役割。最後までケアするようにします。

    ■仲人からのお祝い
    仲人夫妻からもお祝いを贈りますが、これは現金にする場合が多いようです。結婚式の1週間から10日前ぐらいをめどに、男性宅をたずねて手渡すか、式当日に渡します。
    金額は、夫婦で招待された時に包むお祝い金の1.5~2倍が目安になります。ただ、「割れる」として避ける数字はやめて、7万円、10万円などのきりのよい数字にするのが一般的です。
    品物で贈る場合には、前もって希望をきいて贈るとよいでしょう。

    ■式当日までにすること
    結婚式では、媒酌人として2人のなれそめや略歴を紹介することになります。式のスタイルや招待者の顔ぶれなどを事前に把握しておくことが大切です。
    頼まれ仲人の場合は、2人だけでなく、打ち合わせを兼ねて両家と会っておくと、よいでしょう。名前や肩書、役職などを間違えることのないよう、特にむずかしいものにはふり仮名をふるなどして、注意深くスピーチ原稿を作ります。
    服装は、新郎新婦、両家の両親と格をそろえるようにします。仲人は紋付羽織袴か、モーニング。仲人夫人は黒留袖か色留袖、あるいは時間帯によって、アフタヌーンドレスかイブニングドレスとなります。
  5. 結婚式当日

    ■結婚の立会人としてのスピーチを
    挙式当日、媒酌人となる仲人の大きな役割は結婚の証人となることです。そして、挙式後の披露宴では、見届けた証人としてのあいさつがあります。ここで2人の生い立ちや両親のこと、結婚にいたった経緯などをスピーチすることによって、招待客全員が新郎新婦への祝いの気持ちを共有することになります。
    2人との事前の打ち合わせはもちろんですが、プロフィールや名前の読み方を間違えることのないよう、心のこもったスピーチになるように準備します。必ず、スピーチに入れるべきポイントは次のようなものです。
    媒酌人あいさつの例
    ◎列席者へのあいさつ
    主催者を代表し、列席者への謝辞を述べる。
    「本日は、皆様お忙しいなかをご臨席たまわり、まことにありがとうございます」
    ◎自己紹介
    肩書などはすでに紹介ずみなので、簡単にすませる。
    「ただいま、ご紹介にあずかりました○○○○でございます」
    ◎挙式の報告
    「新郎新婦は、先ほど、○○神宮で挙式し、めでたく夫婦となられました」
    ◎新郎・新婦の紹介
    両親の名前、続柄、年齢、学歴、職歴、人となりを入れ込む。将来を嘱望、前途有望などのいい点を強調する。2人の出会いや共通の趣味などにもふれる。
    「それでは、私からお2人の紹介をさせていただきます。新郎、○○くんは…」
    ◎新郎新婦へのはなむけの言葉
    スピーチの中でもメインとなる部分。格言もまじえつつ、エールを送る。
    ◎支援をお願い
    両家や新郎新婦に代わって、今後の指導をお願いする。
    「今後とも、2人をあたたかくお見守りいただきますよう、お願い申し上げます」
    ◎締めくくりの言葉
    「これをもちまして媒酌人のあいさつを結ばせていただきます」

    ■介添え役としての準備
    媒酌人夫人の役割に、花嫁の介添え役があります。挙式から披露宴まで、新婦は着慣れない衣装のうえ、緊張しています。媒酌人夫人は、新婦の立ち居振る舞いに気を配り、動作がしやすいように手助けしてあげます。また、言葉をかけるなどして、新婦の緊張をほぐしてあげるのも大切なことです。仲人をつとめるのが初めての場合は、自分自身のことで頭がいっぱいになりがちですが、勉強しておくようにしましょう。

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