目次
- ○「ひらがな食」をメインにする
- ○外食は「精製食品」を避ける
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「ひらがな食」をメインにする
現代社会を生きるうえで、「外食」を避けることはできない。すると女性の場合、注意しないと脂肪過多の食事に偏りがちになります。女性は、食事にも「ファッション性」を求める傾向が強い。つまり、定食屋やそば屋よりもレストラン、カフェなどのほうを好む。そっちのほうが、「おしゃれ」だと感じるのです。パンやパスタ、サンドウィッチ、こうした食事は、調理段階でとにかく油をたくさん使う。また、原料である「小麦」には輸入されたものが多く、その場合、カビの発生を防ぐために防腐剤をいっぱいふりかけている。くわえて、パスタもグラタンも、乳製品がたくさん使われます。油、添加物と乳製品。これらがたっぷりと含まれている食事は、常食すべきものではありません。たまの楽しみで食べる程度に抑えたいものです。難しいのは、女性同士で外食するとなると、男性にくらべてどうしても「ファッション性」を求めがちということ。若い人はなおさらです。女性同士、「おしゃれ」な店に行きたいし、食後、コーヒーやデザートを食べながらゆっくりおしゃべりでもしたい。定食屋やそば屋、うどん屋だと、ゆっくりすることは難しいです。逆に、男性はそうはなりません。たとえば、わたしが男性の友人と外食するとします。そこで、「デザートが食べたい」などといったら、「冗談はよせよ」といわれるのがオチ。ここに、男女の食生活の違いがあります。なにも、パンやパスタ、サンドウィッチを食べるなといっているのではありません。しょっちゅう誰かと外食するわけでないならば、こうしたカタカナの食事は友人との会食で楽しむ程度に抑えてほしい。そのときは、相手と楽しむためだと割り切って、健康にそれほどこだわらなくてもいいでしょう。ですが、せめてひとりで外食する際は、定食やうどん、そばなどの「ひらがな」の食事を選んでほしいのです。 -
外食は「精製食品」を避ける
現代社会において、外食をまったくしないで生活するというのは不可能でしょう。これまでたくさんの患者さんの食事指導を行ってきましたが、外食をなくすことができる人は、ほとんどいません。料理をつくる時間のない人、接待するうえで外食が仕事の一部になっている人……。さまざまな事情で、外食を利用せざるを得ない。だからといって、無造作に外食をつづければ、健康的な生活をすることは難しい。外食というのは、家庭とは違って「もうけ」を出す必要があります。そのために、できるだけ食材にかかる費用を切り詰め、もうけを大きくしないといけません。つまり、家庭料理にくらべて、どうしても素材の質が落ちてしまう。それをカバーしてくれるのが、「砂糖」「油」「うまみ調味料」などの精製食品です。精製食品は、人間がおいしさを追求してつくり出した成分です。きわめておいしく味つけされたこれらの食品を使えば、素材の悪さを補うことができる。とくに、脂肪分70パーセントの「マヨネーズ」、砂糖がたっぷり入った「ケチャップ」と「ソース」、この3つの調味料は最強です。これらを使えば、素材がどんなにひどくても、おいしく感じることができます。外食は、気をつけないと精製食品まみれになってしまう。逆にいえば、外食メニューを選ぶときは「油、砂糖、うまみ調味料、マヨネーズ、ケチャップ、ソース」をいかにして避けるかが重要なポイントになるのです。基本的に、飲食店は商売第一です。つまり、健康面はさておき、とにかく消費者の舌を喜ばせよう、満足させようと「快楽を与えるための食事」を提供する。月に2、3回程度ならば、イタリアンでもフレンチでも、どこで何を食べてもいいでしょう。ときには、料理を大いに楽しむことも、こころの健康には必要です。ですが、毎日外食を利用するという人はきちんと考えてほしい。選びかたさえ間違えなければ、外食つづきでも十分に健康的な食生活を維持できるのですから。さらに、精製食品だらけの外食がつづくと、わたしたちはふだんの食事では満足できなくなってしまいます。いわゆる「外食舌」です。当然、そのことがさまざまな生活習慣病につながる可能性も高い。若い女性の婦人科系疾患、糖尿病やメタボの増加の背景には、この問題があることを否定できません。