目次
- ○ワーキングマザーへの準備 ①
- ○ワーキングマザーへの準備 ②
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Q いつから働き始める?
下は子どもを持つ主婦が再就職するまでの期間を示したグラフです。まず、1年から2年未満のときに最初のピークがきて、2つ目のピークが7年〜10年未満のときです。つまり、育休明けと子どもの小学校入学時に働きに出たいと考えるママが多いようです。<出典>独立行政法人労働政策研究:
研修機構「労働政策研究報告書No105」より -
ママの仕事復帰どうする?
◆子どもが1〜2才のとき一番の問題はやはり子どもの預け先です。とくに都心郊外の子どもの多い地区の認可保育園は定員オーバーで入れない可能性が高く、保育園探しに苦労します(待機児童問題)。なので、仕事復帰を念頭に置いているママは、出産後なるべく早めに、保育園について役所の担当窓口に直接相談にいきましょう。自治体によって保育行政はかなり異なるので、情報収集が大切です。◆子どもが7才〜10才のとき子育てが落ち着いて、じっくり仕事復帰を考えられる時期です。自分が働きに出るとしたら、子どもはどうするのか? 学童保育を利用する一方、子どもと留守番のルールを一緒に決めるなど、しつけとして自立を促すやり方もあります。子育てにお金もかからないこの時期、将来の教育費を貯める目的で働いて収入アップを目指すママは、社会保険制度の仕組みなどもしっかり抑えておきましょう。 -
税金と社会保険について知る
もし現在、パパの社会保険の扶養になっていて、これから社会に出て働きに出るなら、税金と社会保険について、ポイントをおさえて知っておくと役に立ちます。会社員や公務員のパパの扶養に入っている専業主婦が働く場合、年収が130万円を超えると社会保険料の支払い義務が生じます(正社員の4分の3以上働いても社会保険の加入義務が生じます)。また、年収100万円で住民税、103万円で所得税の課税が始まり、パパの税制上の優遇も少なくなって、パパの税負担もアップします。これらの取り決めのため、一定の年収ゾーンでは、年収は増えても手取り収入が減る逆転現象がおきます。ママの年収アップに伴う夫婦の手取り収入の変化社会保険と税金の加入支払い義務103万以下
(月収8万5千円以下)130万未満
(月収10万8千円以下)130万以上
(月収10万8千円以上)雇用保険 △(1週間に20時間以上
働くと払う必要あり)○ ○ 社会保険料 △(正社員の3/4以上
働くと払う必要あり)△(正社員の3/4以上
働くと払う必要あり)○ 住民税 △(年収100万円以下
は支払い義務なし)○ ○ 所得税 × ○ ○ -
配偶者控除と配偶者特別控除
収入がない配偶者(一般的にはママ)を扶養している場合、パパは税金の負担を軽減されていますが、ママの収入が一定額を超えれば、軽減されていた部分の所得税(38万円)と住民税(33万円)は、通常通り課税されることになります。これが配偶者控除のしくみです。ただし、一定額を超えてもいきなり控除額がゼロになるわけではなく、引き続き配偶者特別控除が使えるので、段階的に税負担が重くなります。上のグラフでは、ママの年収が103万を超えるとパパの配偶者控除がなくなり、141万円を超えるとパパの配偶者特別控除もなくなります。なお、配偶者特別控除は、パパの年収が1000万円以上の場合は適用されません。パパの増税額
(ママの配偶者(特別)控除がなくなった場合)
パート勤務の社会保険について2016年10月から、従業員501人以上の企業で働く場合、労働時間が週20時間以上、月収が8万8000円以上あれば、パート勤務でも健康保険と厚生年金に加入することが決まっています。 -
長期的視野で働く
収入をアップさせるか、扶養の範囲内で働くかは個人の選択に任されています。しかし、近年は社会制度の見直しが相次ぎ(パート勤務の社会保険参照)、これらの優遇措置についてもいつまでもあるという保証はありません。パパの年収の飛躍的なアップが見込めなければ、ママの収入をアップさせて2つの収入を柱として確立するのは、現実的な選択といえるでしょう。
社会保険に加入するメリット健康保険
傷病手当金・出産手当金がもらえる
厚生年金保険
老齢年金・障害年金の年金額が増える。
雇用保険
失業給付金、育児休業給付金、介護休業給付金がもらえる
出産で中断していた仕事を再開させたいと思うママ、あらたに増えた出費を補うために働いて収入を得たいママ、働く理由は数あれど、子育てをしながら働きに出るのは、周りのサポートが不可欠です。保育園や社会保険のことなどを振り返りつつ、よりよく働く可能性を拡げていきましょう。
ママと子どもとお金の話
第5章 ワーキングマザーの生きる道より
子育てで一番の悩みはやっぱりお金。教育資金をどうするのか?という問題は、全家庭に共通する話題ですよね。現役子育て世代から子育てをすでに終えられた方々にも取材をして、年収400万円でも後悔しない子育てを実現するために必要なことを掲載しました。