目次
- ○なぜより少ない生き方を目指すのか考える
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なぜより少ない生き方を目指すのか考える
まずは、ミニマリズムのおさらいから始めよう。ミニマリズムの定義は、「いちばん大切にしているものを最優先にして、その障害になるものはすべて排除すること」だった。当面の目標はガラクタを処分することだが、究極の目標は、身の回りをすっきりさせて、人生でいちばん大切な目標を達成することだ。そこで、最初の小さな一歩を紹介しよう。まだ何も手をつけていない段階で、自分がミニマリストを目指す理由をじっくり考えるのだ。ここは時間をかけてかまわない。理由はたくさんあるだろう。どれもあなただけの理由であり、あなただけの目的や価値観を反映しているはずだ。今の段階では、すべての目標を具体的にリストにする必要はない。目標があるおかげでミニマリズムがはかどり、そしてミニマリズムが進むおかげで目標がよりはっきりしていく。これは終わりのない発見のプロセスだ。とりあえずは、今の段階でわかっている理由を並べてみよう。あなたはなぜ、家の中からものを減らしたいと思ったのか? 理由が決まったら、それを紙に書いて見えるところに貼っておく。いくつか例をあげよう。・借金を完済し、老後の貯金を始めたい。
・慌ただしい毎日から抜け出したい。
・両親が年を取ったときに助けになりたい。
・世界のすべての大陸の山に登りたい。
・ハイチの病院で1年間ボランティアとして働きたい。
・小さなマンションに引っ越したい。
・子供のスポーツチームのコーチをする時間が欲しい。
・音楽を教える仕事を辞めて、室内オーケストラに入りたい。
・家の片づけから解放されて、夜は家族とのんびりすごしたい。
・いつでも人が呼べるような家にしたい。
目標を紙に書いたら、よく見える場所に貼っておこう。ミニマリズムを続けていると、気持ちがくじけそうになることもある。そんなときに目標を見れば、再びモチベーションを上げることができるだろう。目標を貼っておかなかったら、不要品を箱に詰めてチャリティに持っていく理由を忘れてしまうかもしれないし、食器棚をネットオークションに出すのが面倒になってしまうかもしれない。家と人生のミニマリズムを始める前に、このライフスタイルは努力して手に入れる価値があるということを、自分に納得させなければならない。紙に書いた目標があれば、ミニマリズムを目指そうとしたきっかけをいつでも思い出すことができる。そして、目標を書くだけなのだから、難しいことは1つもない。もちろん、それはまだ最初に一歩にすぎないけれど。
より少ない生き方 ものを手放して豊かになる
第6章 簡単なところから物を手放していくより
現代のミニマリズム運動を代表する1人で、毎月100万人が訪れるサイト「Becoming Minimalist」の創設者が明かす、「ものを手放して豊かになる」方法とは!?