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集中力の高め方【大学准教授執筆】

どうもやる気が起きない…そんな日もありますよね。しかし、集中力は何がきっかけで高まるものなのでしょうか。「パチッ」と突然電源が入るようにやる気が入る方法をご紹介します!

笠原彰(スポーツメンタルトレーニング上級指導士)

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目次

  1. ○やる気スイッチの作り方
     
    • やる気スイッチの作り方

      人は集中するとき、照明のように「パチッ」と突然電源が入るといった具合に、集中力が高まるかというと、そうではありません。なにかをきっかけにして、少しずつ集中力は高まってきます。
      そこで短い簡単な作業を行うことで、脳を軽い興奮状態にしていきます。人は、すぐには集中状態に入ることができません。なにかを実行することで集中状態に入ることができます。これを作業興奮と言います。簡単な作業は、集中状態に入るスイッチのようなものです。
      作業興奮を作ることで、脳がウォーミングアップされて、集中しやすい状態になります。スポーツなら、軽くその場でダッシュ、大声を出すなどです。
      仕事なら、机を拭く、少し音読をする、短時間の散歩などです。「これをすると集中状態に入れる」というものを色々実験して、「自分だけの作業興奮行動」を作ってみてください。短時間でできる行動を入れることで、作業興奮、つまり集中状態に入ることができます。
      思いつきでやっても、スイッチは入りません。その時々で変えるものではなく、事前に決めておくことで、その効果を発揮できます。

      「これをしたら、私はこうなる」という行動を事前に決めておきます。

      「集中したいときは、○○のコーヒーを飲む」

      「○○というストレッチで、自分はスイッチが入る」

      「○○と言い聞かせれば、自分のモチベーションが高まる」

      作業興奮を起こすためには、すぐに実行できるようなものが良いです。難しい行動、面倒な行動、時間がかかる行動は、適切とはいえません。
      調子が出ないときに「集中、集中!」と言い聞かせても、集中することに集中してしまい、目の前のやるべきコトに集中できません。自分だけの作業興奮行動を練習しておくことです。「ここイチバン」という決め時に、効果を発揮します。「練習」と「本番」の差がなくなり、練習通りのことを本番で実行できます。「本番に強い」人になることができます。本番に弱い人は、作業興奮行動が、行き当たりばったりであったり、練習不足であることが多いです。行き当たりばったりでは、「練習」と「本番」の差が大きくなってしまい、自信をもてません。集中できなくなったときに、ネガティブ感情が出てきて、冷や汗をかいたり、身体が震えたりして、本番で失敗してしまいます。その繰り返しが、自信のない人間を作ってしまいます。そうならないためには、「自分だけの作業興奮行動」を何回も練習しておく必要があります。決めただけでは、効果はありません。何回も練習してみてください。ほかにもっと良い作業興奮行動があるかもしれません。いくつかパターンを持っておいた方が良い場合もあります。人のやることですから、飽きてきたり、形骸化したりして効果が薄くなってくることがあります。そのときは、作り直してみると良いです。また、1つではなく色々な作業興奮行動の組み合わせが必要であったりする場合もあります。
      このように何回も試行錯誤したり、練習することが、メンタルトレーニングと言われるゆえんです。何かをちょっと決めてみて、2、3回試してみたところで、効果はありません。試行錯誤や練習の繰り返しが大切です。私は「実験」と呼んでいます。自分に最も適している方法は、他人から与えられるものではなく、自分で発見することが重要です。
      これは、集中力が切れたときの切り替えにも使えます。チームをまとめる立場の方、人材育成やリーダーシップを取る立場の方は、みんなの集中が切れているなと思ったら、何か作業興奮行動を入れると、再び集中できます。

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      集中するときに飲むコーヒーの銘柄を決めておく
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