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新しいアイデアを生み出す発想方法|東大卒の敏腕プロデューサーが教える!
ゼロから新しいものを生み出すのは至難の業ですが、今既にある情報をうまく活用すれば新しいアイデアを生み出すことが可能だと、TBSで数々の番組を手掛けた実績を持つプロデューサーの角田陽一郎さんは言います。では、どうすれば「既存のもの」をうまく活用できるのでしょう。角田さんの著書でその活用方法をチェックしてみませんか?
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目次
- ○すでにあるものと「好きなこと」を組み合わせる。新しいアイデアは、そこから無限に生まれる
- ○意外な「組み合わせ」を意識することが、発想の近道
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すでにあるものと「好きなこと」を組み合わせる。
新しいアイデアは、そこから無限に生まれるでは、どうすれば「既存のもの」をうまく利用できるのでしょうか?とっておきの方法があります。「既存のもの」同士を組み合わせるのです。実は、世の中で「新しい」とされているものの多くは、本当の意味で「新しい」わけではありません。既存×既存の組み合わせから生まれているものが、大多数なのです。わかりやすい例を挙げると、近年、「乳酸菌チョコレート」がヒットしました。これは言うまでもなく、「乳酸菌」×「チョコレート」の組み合わせによって生まれた商品です。相撲ブームが生まれたのも、「相撲」×「女性」という組み合わせをもとに、さまざまな仕掛けが行われ、女性客が相撲観戦に足を運ぶようになった結果です。ちなみに、僕(角田陽一郎)がディレクターをやっていた『さんまのスーパーからくりTV』の名物企画で、「ご長寿早押しクイズ」というコーナーがありました。これは、お年寄り=ご長寿のみなさんが、早押しクイズに挑戦するというものです。そのころ、番組スタッフは、ご長寿のみなさんを打ち出した企画ができないかと、頭を悩ませていました。ご長寿の方には、キャラクターがおもしろい人がたくさんいるからです。しかし、ただご長寿の方に出演してもらうだけでは、おもしろいものになるとは思えませんでした。そこで、さまざまな「組み合わせ」を考えた結果、機敏な動きが苦手なお年寄りに、あえてスピードが要求される早押しクイズに挑戦してもらうことになりました。「お年寄り」×「早押し」。この組み合わせが「ご長寿早押しクイズ」という、今までにない企画を生み出したのです。音楽の世界でも、組み合わせによって、数多くのヒットが生まれています。かつて、ある有名なヒット曲メーカーが、「ヒット曲にするには、むしろ、どこかで聴いたようなフレーズが入ることがよい」とおっしゃっていました。でも、それだけだと、ただのパクリになってしまいますから、「アレンジには、最新の技術を使う」のだそうです。つまり、「なじみのあるフレーズ」×「最新のアレンジ」で、ヒット曲を生み出しているわけです。演劇においても同様です。よく「戯曲のストーリー展開のパターンは、シェイクスピアがすべてやり尽くしてしまった」と言われますが、それでも次々に新しい戯曲が生まれています。ストーリーのパターンは同じでも、描く時代や社会はまったく違うからです。シェイクスピアのストーリー展開に、たとえば日本の文化や現代の風俗を組み合わせれば、十分に新しい作品を作ることができます。また、シェイクスピアの時代には、電動舞台装置も映像表現もありません。シェイクスピアのストーリーに新しい表現手段を組み合わせるだけでも、アイデアは無限に広がり、魅力的な企画を生み出せる可能性は一気に高まります。もし、あなたが「好きなこと」を仕事にしたいと思っているなら、ぜひ既存のものと「好きなこと」の組み合わせを考えてみてください。「つまらない」と思われているものも含め、世の中には数多くの物や情報があります。それらと、あなたの「好きなこと」を組み合わせれば、「好きなこと」を仕事にするための新しいアイデアは無限に生まれるはずです。 -
意外な「組み合わせ」を意識することが、発想の近道
なお、「組み合わせによって新しいものを生み出す」にはコツがあります。できるだけ、「今までに見たことのない組み合わせを考える」のです。たとえば、「ガッキー」こと新垣結衣さん主演の新しいドラマを作るとします。あなたなら、ガッキーと何を組み合わせますか?彼女はすでに、幅広いジャンルの作品に出演しています。「ガッキー」×「恋愛もの」、「ガッキー」×「涙」では、あまり新しさがありませんよね。では、実現できるかどうかはともかく、「ガッキー」×「鼻血」はどうでしょうか。「鼻血を流しているガッキー」というのは、今まであまりなかったような気がします。想像すると、ちょっとおもしろそうじゃありませんか。それに、「なぜガッキーは鼻血を流しているんだろう?」と考えただけで、ストーリーがどんどん浮かんできそうな気がします。すごく興奮したから?お風呂でのぼせたから?誰かに殴られたから?もともと鼻血が出やすい体質だった?このような、意外な組み合わせがたくさんあればあるほど、過去に見たことのないものが出来上がっていくはずです。ところで、「組み合わせによって新しいものを生み出す」際のコツとしては、ほかに、「ジャンルに縛られないこと」が挙げられます。アイデアを考えるときは、ついつい似たようなジャンルのものから発想を得ようとしがちです。しかし、それでは、あっと驚くような新鮮なアイデアは、なかなか出てきません。既存のものと「好きなこと」の組み合わせで悩んだときは、ぜひ、まったく異なるジャンルのもの同士を組み合わせてみてください。
「好きなことだけやって生きていく」という提案
第2章 新しいアイデアは、必ず「好きなこと」の中から生まれるより
この時代に生まれて本当によかった!もう、嫌いな仕事をガマンしてやり続けなくてもいいんです。好きなことを仕事にして楽しく生きられる。むしろ、そうしないと生き残れない時代が、あと数年でやってきます。しかも、コツをつかめば、今なら誰でも好きなことだけやって生きていける。変革期の今こそチャンスなんです。