目次
- ○あなたは疲れるように座っている!
- ○まずは環境を点検してみよう
- ○疲れ知らずのポジショニング
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あなたは疲れるように座っている!
なぜ、座っているだけで疲労が溜まって肩こり、腰痛になってしまうのでしょうか?簡単にお答えします。疲労が溜まるように座っているからです。たとえば、座った時にこのようになっていませんか?その時は楽かもしれませんが、この状態は身体に頭、腕の重力が過度にかかり、負担をかけ続けています。いわば故障中のピッチャーが、無理にボールを投げ続けているのと同じ状態なのです。筋肉が正しい位置にないと、メインコンピューターである脳と身体とのキャッチボールがうまくできずに、身体への負担が増大してしまうのです。 -
まずは環境を点検してみよう
集中しすぎて、気がついたらモニターをジーッ。そんなことはありませんか?椅子の高さ、モニターの位置などが適切であれば、身体にかかる負担が軽減します。デスクまわりの環境を改善するエルゴノミックエバリュエーションという方法では、デスクワーク中の様子を撮影して、目からモニターへの距離、座った状態での膝の角度などを測定します。姿勢が変わると、ベクトル(重力のかかる方向)が変わります。ですから、なるべく負担の少ない方向にベクトルが向かなければなりません。もし、イラストのように猫背で首が前に倒れてしまっている状態で、モニターまでの距離が近いとどうなるでしょうか?顔は、より一層前へいき、約10キログラムある頭部を支えている筋肉が過剰にがんばって支えてやらなければならなくなります。さらに、アゴが上がってきて、後頭部もガチガチ、それによって頭痛なども引き起こされます。また、腰がくだけた状態で椅子の位置が低く、膝、股関節の角度が小さすぎてしまったらどうなるでしょうか?筋肉は縮こまって、しっかりと働いてくれる状態にはなっていません。身体は、結構賢いのです。脳は、身体がこの位置でこのくらいは伸びて、このくらいは縮んでという感覚を知っています。持続的に間違った情報を脳に送ってしまうと、脳と身体のキャッチボールが狂ってしまいます。日常的にデスクワークの環境や姿勢を適切にすることで、この脳へのインプット・アウトプットが正常にやりとりでき、身体の不調が解決できるようになります。あなたの身体のために、自分自身のデスクまわりの環境改善が重要なのです。 -
疲れ知らずのポジショニング
細かく表すといくつか項目がありますが、大きく3つの重要なポジショニングを紹介します。1 ディスプレイまでの距離ディスプレイまでの位置は、おおよそ片腕を伸ばした長さで、目線レベルは5~20度、若干下方目線です。
2 椅子の高さ椅子の高さは、ディスプレイの目線が適切な位置になる状態で、膝、股関節(腰—お尻と太だい腿たいのライン角度)が90度に保て、足首の関節がリラックスできる状態(リラックスして足の裏がついた状態)にセットアップをします。坐骨と呼ばれる部位(お尻のスジのあたりで左右の骨の出っ張りが触れるところ)で座り、腰と背中にこぶし程度のスペースを保った状態です。
3 キーボードの高さ肩が完全にリラックスした状態で、キーボードの角度は0~15度ぐらい、ひじから下方に傾けた状態。マウスはキーボードと同じ高さで、キーボードからそれほど離れていない場所でセットアップします。また、キーボードやマウスまでの距離は離れすぎず、腕が身体の線と平行になるように脇を締めた状態でストンとそのまま下に降ろした状態が望ましいのです。理想を言えば、椅子や机は調節可能なものが好ましいです。キーボードレストなども活用するといいでしょう。まずは、身体の状態を改善する前に、根本的な原因となりうるデスクまわりの環境を適切にしましょう。非常にシンプルではありますが、この改善が日常のデスクワークの際に、力学的な負担を軽減し、身体の継続的な疲労状態を大幅に改善します。それが「シリコンバレーメソッド」の第一歩です。