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【メイクアップアーティスト執筆】美しさを創る「らしさ」とは
日本最大規模の一般女性向けメイク教室「美塾」の志は「『らしさが美しい』を文化に…」だと言います。「らしさが美しい」とはどういうことなのでしょうか。美塾・塾長の内田裕士さんの著書から、その理念がもつ二つの意味をチェックしてみましょう。
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目次
- ○客ぶりを上げる
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客ぶりを上げる
日本では「客ぶり」という言葉があります。お茶事をする際にいくら亭主(招く側)が一流でも、客(招かれた側)の力量が低いとその場はいい場にはならないと言われているのです。前述の機嫌の悪いタクシーの運転手さんも、もしかしたらあなたの客ぶりが未熟だったことによる出来事だったのかもしれないのです。これは私(内田裕士)が心理学を学ばせていただいている日本メンタルヘルス協会の衛藤信之先生が形を変えて教えてくださいました。「講師を殺すのに刃物はいりません。そこに座って、つまらなさそうにそっぽを向いていたら、いくらでも講師のパフォーマンスを下げることができるんです。逆にあなたが目をキラキラさせて講師の話にうんうんと頷いて一生懸命メモをとってくれたら、講師のパフォーマンスはどんどん上がるのです」これはまさしく日本の精神「客ぶり」を現代風にアレンジして教えてくれているのです。衛藤先生のおかげでいつでもどこでも最高のお客さんでいようと思えるようになりました。ホテルのチェックアウトのときは、必ずお部屋をキレイにして、ゴミはまとめて出るようになりました。入ったトイレは必ず掃除をします。コンビニでも店員さんに笑顔で「ありがとう」と言うようになりました。さらには、駅のホームで歩いていても街を歩いていても、なるべく輝いた顔で歩くように心がけています。おもてなしという言葉をはき違えてはいけないと思います。おもてなしという言葉はそういった客ぶりの上に成り立つ言葉で、お客様を怠惰にしたり、楽をさせたり、愚かにさせるようなおもてなしは、本当の意味でおもてなしとは言えないと思います。どんどんお客様がおバカさんになっていくサービスではこれからの社会は明るくなっていきません。今の日本に圧倒的に欠けていると僕が感じるのは「教育」です。それも子どもたちのお勉強のことではなく、老若男女すべての人に対する総合的な人間力を養う教育です。ですから今の日本人に対して時に見手に委ねるだけでは不十分なこともあります。自分の魅力がわからないというのもその1つです。なにかを見ることにおいても「教育」が必要なのです。たとえばあなたはなにを美しいと思いますか? 人のなにに美しさを見ますか? どんな人をどんな理由で美しいと思いますか? もしあなたが「肌の白さが美しい」だとか、「目が大きくてぱっちりしていてまつ毛がびっしり生えていることが美しい」だとか「スタイルがよくて身体中にハリがあることが美しい」と見ているならば、非常にもったいない表層的な美しさを見ているにすぎないかもしれません。もちろん今あげた美しさも人としての美しさとして素晴らしいことです。ですがそれらは非常に人間の一部の特徴にすぎない分野です。そして現在の日本人の対人間に対する美的感覚は、その辺りをウロチョロしているように感じるのです。そこで僕は、前述した「見手に委ねる」という考え方を逆手にとって、見る側の教育も同時にしてしまおうと思いました。美塾の志は「『らしさが美しい』を文化に…。」です。この言葉には実は2つの意味が込められています。「あなたらしさが美しいのだから、どうぞ自分らしく輝いてください」という表現する側に対してのメッセージと、「その人らしさを美しいとみんなで感じるようになりませんか?」という見る側の啓蒙と、この2つの意味が込められているんです。「肌の白さ」「目が大きくてぱっちりしていてまつ毛がびっしり生えている」「スタイルがよくて身体中にハリがある」というような、ほとんどの女性の自信を奪うような、ほとんどの女性が手に入れられないようなものに美を掲げることに一体なんの意味があるのでしょう?今こそ、現実取得可能な美しさ。それも人間でなくては手に入れることができない、しかもただぼんやりと過ごしているだけでも得られない美しさ。それこそを美しいと思うべきなのではないでしょうか?そしてそういった人のありのままの姿や、姿形だけでないところに美しさを見出す人は、美しさに対しての客ぶりが高いと言えるのではないでしょうか? そしてそういったところを美しいと感じるあなたが美しいのだと思います。
Point なにを美しいと思うかが、あなたの美しさを創る
毎朝、自分の顔が好きになる
Part5 あなたの「魅力」を磨くヒントより
日本最大級のメイク教室の創始者であり、本書の著者である内田裕士氏が提唱する、あなた本来の魅力を活かすナチュラルメイク。上達すればするほど、使用するメイク用品の量もメイクにかける時間も減るだけでなく、自分の素顔が好きになっていくという従来のメイクとは真逆のメイクです。なにより、あなた自身も気づいていない《隠された魅力を知ることができる》メイクなのです。そんな多くの女性たちの人生を変えてきたオリジナルのメソッドについて、内田氏が今回、初めて書籍で公開しました。