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- ○体を病気から守る免疫部隊は腸に集まっている!
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体を病気から守る免疫部隊は腸に集まっている!
酵素と免疫力、どんな関係があるの?
私たちの体には、病原菌や毒素から体を守る「免疫」というしくみが備わっています。免疫パワーを発揮するには、「白血球」、白血球の集合基地である「腸」、腸に住んでいる「善玉菌」が重要な役割を担っています。酵素たっぷりの食事をとると、腸内の善玉菌が増えて活発になり、そのはたらきで腸の中がきれいになります。腸内環境が改善されると、腸に集まっている白血球が十分にはたらくことができるようになり、その結果、免疫力が高まります。まず免疫について説明しましょう。免疫系の役割
免疫系で主役となってはたらいているのが白血球です。白血球には、リンパ球や顆粒球、マクロファージなど、さまざまな種類があり、それぞれ独自の役割を担っています。免疫系には、「自然免疫」と「獲得免疫」という二重の防御システムがあります。生まれた時から体内にそなわっているのが自然免疫。マクロファージや好中球、NK細胞などが24時間体内を巡回して、病原菌やガン細胞を見つけると、敵を食べて排除しています。獲得免疫は、T細胞やB細胞などのリンパ球が、ウイルスや細菌、ガン細胞などに対して、「抗体」というたんぱく質を使って攻撃するシステムです。リンパ球は一度会った敵を記憶し、次に同じ相手と出会ったときは、その敵専用の抗体を作って撃退します。私たちが、はしかや水疱瘡に二度かからないのは、そのウイルス専用の抗体でリンパ球が撃退しているからです。体内では毎日、数千ものガン細胞が生まれていますが、リンパ球がこれらを排除しているおかげで、やすやすとガンにかかりません。〝腸〞は人体最大の免疫器官
免疫力が発揮されれば、感染症やガンから、身を守ることができます。免疫機能は体のあちこちに存在していますが、近年の研究で全身の免疫機能の9割が腸に集中していることが明らかになりました。口から胃、小腸、大腸、肛門にいたる消化管は全長10メートル。食べ物は、この管のなかを通り抜ける間に、さまざまな酵素によって脂質、アミノ酸、単糖に分解されます。栄養素の90%は小腸が消化吸収し、毛細血管を通して全身に配られます。残りは大腸で水分を絞った後、便になり排泄されます。消化管は内なる外の器官
消化管は体内にありますが、たえず食物が通過し外界からの刺激を受けているので〝内なる外〞といわれています。腸には食べ物と一緒に、いろいろな病原菌や有害物質がひっきりなしに侵入してきます。そんな敵から身を守るため、小腸には全リンパ球の70%、ガン細胞を攻撃するリンパ球にいたっては80%が集結しています。小腸にある免疫組織は「パイエル板」と呼ばれ、体内で関所としてはたらいています。パイエル板には、病原菌やウイルスなどの抗原を取りこむM細胞がひかえ、侵入者を監視しています。またパイエル板の下には、リンパ球やマクロファージなどが多数集合していて、外部から侵入してきた危険なものを排除しています。小腸に続く大腸では、腸に生息する腸内細菌が、免疫機能を活性化したり、外敵が悪さをしないように押さえ込んだりするはたらきをしています。腸は人体最大の免疫器官。免疫力を高めるポイントは腸を元気にすること! これに尽きます。
食事を変えれば病気は治る
第1章より
おいしい、低カロリー、カンタン、手早い。酵素栄養学の第一人者と食医食・活性酸素除去料理の2人がタッグを組んで作る健康料理ブック!体質改善・疾患治療をはかる上での、かつてない強力な食事療法。